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千真に大黒! 横浜FMが浦和を下し無敗を守る

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[5.3 J1第9節 浦和0-2横浜FM 埼玉]

 J1第9節は3日に7試合が行われ、埼玉スタジアム2002では浦和レッズ横浜F・マリノスが激突した。浦和が持ち味のサイド攻撃を発揮して押し込む時間が多かったが、後半25分に横浜FMがセットプレーからFW渡邉千真がヘディングシュートを決めて先制。さらに後半ロスタイムにFW大黒将志が追加点を決めて横浜FMが2-0で勝利した。横浜FMはこれで4戦無敗。浦和は攻め込みながらも2連敗となった。

 浦和は4-5-1-を採用。GKは山岸範宏、DFラインは右から高橋峻希、スピラノビッチ、永田充、宇賀神友弥。ダブルボランチは山田暢久と柏木陽介が組み、2列目は右から田中達也、 マルシオ・リシャルデス、原口元気が入った。1トップはエジミウソンが務めた。

 対する横浜FMは4-4-2を採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、波戸康広。ダブルボランチは谷口博之と小椋祥平が組み、2列目は右に中村俊輔、左に兵藤慎剛が入った。2トップは小野裕二と渡邉千真が組んだ。

 浦和は田中と原口のサイドMFに、それぞれ高橋と宇賀神の両SBが絡んで、サイドを活かして攻勢に出た。対する横浜FMは引き気味の陣形。両サイドMFがボランチと変わらないライン取りをし、最終ラインと合わせて2つの守備ブロックを形成。しっかり守ってからのカウンターを狙った。

 浦和が押し気味に試合を進めたが、最初の好機は横浜FMが作った。前半9分、PA左で受けた俊輔が仕掛けて右足でミドルシュート。GK山岸に防がれたが、狙いは良かった。同13分にはさらに絶好機を作る。中央から俊輔が右にサイドチェンジ。これを渡邉が受けて中央へグラウンダーパス。兵藤がフリーで走り込んだが、右足のシュートは枠を外した。

 浦和は持ち味を発揮して攻めるが、バイタルエリアのところで人数の多い横浜FMの守備網にかかってしまう。それではと、クロスやミドルシュートなどで打開を図ろうとしたが、上手くいかない。前半19分、右クロスにエジミウソンが頭を合わせるが、マークが激しくジャストミートできず。同24分には山田の長めのスルーパスにエジミウソンが抜け出すが、これはGK飯倉が飛び出してクリアした。同29分にはマルシオ・リシャルデスが強烈な右足ミドルを放ったが、これはGK飯倉の好セーブにあった。

 その後も、浦和がボールをつなぐ時間が続き、標榜するダイナミックな攻撃を繰り出す。前半31分には右サイドを攻略し、最後は田中がクロス。これに原口が飛び込んでヘディングシュートを放ったが、惜しくも上に外れた。同37分にはPA右でエジミウソンが田中にスルーパス。突進して右足を振り抜いたが、角度が少なく惜しくもサイドネットだった。前半はそのまま0-0で折り返した。

 後半、序盤から浦和がチャンスを作った。開始2分、PA内左で原口が突進しシュート。これはスペースがなくGK飯倉に防がれたが、再び原口がチャンスを作った。後半10分、左サイドをドリブルで仕掛けて左足クロス。うまくファーサイドに届き、これに田中が快足を活かしてスライディングしながら押し込もうとするが、わずかに合わずに決め切れなかった。

 横浜FMも縦への速い攻撃で応戦する。後半12分、中央やや左、縦パスに小野が抜け出し、ラインぎりぎりで折り返す。これに渡邉が走り込むが、間に合わなかった。同13分にはPA右で小林のスルーパスに渡邉が走り込みターンしながら右足シュート。これもわずかに左に外れた。同15分には右サイドを小林が仕掛け、体勢を崩しながらグラウンダーのクロス。これに谷口が後方から走り込み、ぎりぎりで足を合わせるが、決め切ることはできなかった。

 後半20分、横浜FMは小野に代えてFW大黒将志を送り出した。同24分には今度は浦和が田中に代えてFWマゾーラを投入。ともに攻撃の選手を入れ替え、流れを変えようとした。

 そんな中、横浜FMが先制に成功した。後半25分、右サイドでFKのチャンスを得る。キッカーは中村俊輔。狙い澄ましたボールに渡邉千真が飛び込んで頭を合わせ、ゴールネットを揺らした。渡邉にとって今季初ゴール。敵地で劣勢な展開が続いた中、復活にかける背番号「9」が大きな先制点をもたらした。

 連敗は避けたい浦和は後半30分、スピラノビッチに代えてFW高崎寛之を投入。前線は長身の高崎をエジミウソンとの2トップにし、左に原口、右にマゾーラの陣形を取った。後ろは山田がCBに回り、マルシオ・リシャルデスがボランチに下がった。横浜FMは後半32分、俊輔に代えてMF狩野健太を投入した。

 その後、浦和が猛攻を仕掛け、跳ね返す横浜FMという図式が続く。横浜FMは後半38分、カウンターから大黒が突進。永田との1対1からシュートまで行くが、GK山岸にセーブされた。横浜FMは同40分、カウンター狙いとハイボール戦術による揺さぶりか、渡邉に代えてキム・クナンを投入。193cmと長身が武器のDFはセンターフォワードに配置された。

 終盤、浦和が好機を作る。後半45分、原口が仕掛けて右足シュート。さらに同45分、マルシオ・リシャルデスの左CKから中央でエジミウソンが頭を合わせたが、わずかに外れた。ロスタイムは4分。浦和はあきらめずにゴールを狙ったが、悪夢が訪れた。中盤でのルーズボールがゴール前に流れる。GK山岸がPAを出てスライディングしながらクリアしようとしたが、これをFW大黒将志が拾って無人のゴールへ。直後に試合が終わり、横浜FMが2-0勝利をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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