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浦和は攻め込むも2戦無得点、柏木「バリエーションが足りない」

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 良いサッカーをした。しかし、勝てなかった。それだけに選手、サポーターはジレンマを感じるだろう。浦和レッズは攻め込みながらも横浜FMに0-2の完封負け。前節仙台戦(0-1)に続き2戦連続で無得点となった。おまけに2006年11月の勝利を最後に、ホーム埼玉スタジアムでの対横浜FM戦に4連敗で5戦未勝利。つまり5シーズン、勝ち星から見放された。

 持ち味は発揮した。標榜するサイド攻撃をいかんなく繰り出した。FW原口元気、FW田中達也のサイドはもちろん、宇賀神友弥や高橋峻希、の両SBも加わり、ボールを支配した。しかし、ゴールが遠い。特に前半はペトロヴィッチ監督が「前半はほぼパーフェクトに近い内容で、ほとんど相手にチャンスを与えず、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と絶賛する内容だった。後半もチャンスを作ったが、決め切ることができなかった。

 攻めても勝てない-。昨年と同じような悩みを抱えているが、解決策は見えているようだ。ボランチのMF柏木陽介は「やっぱバリエーションが少ない。サイドに入ってからクロス、サイドで1対1で仕掛けてシュートという形しかない。真ん中でも崩せるようにならないといけないのと、もっと裏に走れる人が増えてこないと。みんな止まってる状況でボールをもらうことが多い」と、サイド攻撃のバリエーションを増やすことと、DFラインの背後を突く動きを攻撃陣に求めた。

 具体的な改善策として、柏木は「クロスも、もっと工夫が必要で、高いボールはあまり勝ち目がなかったので、もっと速いボールをGKとDFの間にいれることが必要だったと思う。深い位置まで切り込んでクロスとかではなくて、早い段階で入れることで、GKとDFの間が空くかなと思う」と指摘した。そして、「一人ひとりはボールを持ったら上手いけど、持っていないときに、考えながら動けるかがネックになっている」ともっと“考えて走る”ように説いた。

 目指すサッカーはできている。柏木が言うとおり、あとはいかに“応用”するかだろう。指揮官も「特に何かを変える必要はないと思っている。このままパワーを持って攻撃を続けて、カウンターを受けないようにする。試合には負けたが、特に高橋はいいプレーをしたし、柏木やマルシオ、他にもほとんどの選手がいいプレーをしたのは次に向けていい材料になる」と前向きに話した。

 柏木は「きょうはほんと、チームとして悪かったとは思わない。僕らは前を向いてやるしかない。チームとして、バラバラにならないようにやっていかないといけない」。宇賀神は「苦しい時期は必ずあるし、そういう時に投げやりにならずにチームとして戦うことが大事。監督のやるサッカーを信じてやるだけ」と話した。今はきっと、生みの苦しみの時期。選手たちはこれを乗り越えて“強い浦和”を作り上げるつもりだ。

[写真]敗戦にうなだれる浦和

(取材・文 近藤安弘)

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