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同級生対決に燃えた、2戦連発の千真「気分いい」

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[5.7 J1第10節 横浜FM3-2福岡 日産ス]

 ようやくエンジンがかかってきた。横浜F・マリノスのFW渡邉千真が2試合連続ゴールを決め、チームの逆転勝利を呼び込んだ。

 一瞬の隙を逃さなかった。0-2で折り返した後半開始25秒。DF小林祐三の自陣からのロングフィードをFW大黒将志が右サイドからダイレクトで折り返す。渡邉が頭で捉えたボールはループ気味にGKの頭上を越え、クロスバーを叩いてゴールマウスに吸い込まれた。

 同級生のゴールが刺激になった。国見高時代のチームメイトである福岡のFW城後寿が前半に2得点。「目の前で2点やられていたし、絶対に負けたくないと思っていた。自分のパスミスで失点していたし、取り返さないとと思っていた」。後半立ち上がりのゴールで流れは完全に変わった。ラインが下がり、運動量の落ち始めた福岡を押し込む。シュート数は後半だけで16本。FW小野裕二の2得点で逆転した。

 今季初ゴールを決めた前節の浦和戦(2-0)に続く2戦連発。「得点できたことで気持ち的にも上がってきたし、気分もいい」。2年前のJリーグ新人王もポジションを約束されているわけではない。今季は開幕から5試合連続で先発しているが、2トップを組む相棒は小野、FW大黒将志と試合によって変わる。大黒は浦和戦で今季初ゴールを決め、小野はこの日2得点。「調子のいい選手を使っていると思うし、自分にも危機感はある。結果を残していかないといけない」と、お互いに刺激し合っている。

 守備陣はこの日、今季初めて流れの中で失点を喫したが、DF中澤佑二、DF栗原勇蔵を中心に計算は立つ。FW陣がコンスタントに結果を残し続ければ、自然と勝ち点は増えていくはずで、渡邉も「守備はある程度自信を持っているし、前が点を取っていけば勝てる」と手応えを深めている。

 今季初の連勝で開幕から3勝2分の無敗。まだシーズン序盤とはいえ、首位の座もはっきりと視界に入ってきた。「まだ始まったばかり。1試合1試合、勝ち点を取っていきたい」。守ってカウンターだけではない。攻め切って2点差をひっくり返した逆転勝利はチームに大きな自信を与えるはずだ。

[写真]2戦連発の渡邉(9番)

(取材・文 西山紘平)

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