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柏が2戦連続3発で首位キープ!新潟は今季初黒星

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[5.14 J1第11節 新潟0-3柏 東北電ス]

 J1第11節が各地で行われ、新潟・東北電力ビッグスワンスタジアムではアルビレックス新潟と首位の柏レイソルが激突した。ここまで5戦2失点の最少失点で無敗の新潟と、5戦10得点の最多得点で首位を走る柏の一戦は、柏がDFジョルジ・ワグネルの1ゴール1アシストの活躍もあり、2試合連続の3得点で3-0勝利。きっちりと首位をキープした。新潟は堅守が崩れて今季最多3失点で、悔しい今季初黒星を喫した。

 新潟はFWブルーノ・ロペスとMFチョ・ヨンチョルを怪我で欠く苦しい状況。高卒ルーキーのFW酒井宣福がプロ初先発を果たし、チョの代わりはMF木暮郁哉が務めた。システムは4-4-2でGKは東口順昭、DFラインは右から藤田征也、鈴木大輔、千葉和彦、酒井高徳。ダブルボランチは小林慶行と本間勲が組み、右MFは三門雄大、左MFは木暮郁哉が入った。2トップはミシェウと酒井宣福が組んだ。

 対する柏も4-4-2を採用。GKは菅野孝憲、DFラインは右から酒井宏樹、増嶋竜也、近藤直也、ジョルジ・ワグネル。ダブルボランチは大谷秀和と栗澤僚一、2列目は右に大津祐樹、左にレアンドロ・ドミンゲスが入った。2トップは田中順也と北嶋秀朗が組んだ。

 堅守を武器に攻撃ではサイドを活かして攻める新潟と、個人技をベースにドリブルとショートパスで打開する柏の一戦。新潟はサイドとミシェウの創造性でゴールをうかがい、柏はレアンドロの個人技、北嶋のポストプレーなどを活かして打開を狙った。しかし、共に守備が固く、PA前での崩しに苦しんだ。新潟はレアンドロを、柏はミシェウを好きにやらせないよう気を利かした守備をみせ、シュートまで行かせなかった。

 前半9分、柏は栗澤がミドルシュートを放ったが、これは大きく左上に外れた。新潟は酒井高徳や藤田の両SBも攻撃参加してサイドから崩しにかかるが、柏の落ち着いた守備に跳ね返される。そんな中、柏が助っ人の一発で先制に成功した。

 前半23分、ゴール前の混戦から最後はPA内左でジョルジ・ワグネルが利き足とは逆の右足を一閃。相手の意表を突く形でゴールに右に突き刺した。SBながら早くも今季3得点目で、1-0のリードを奪った。

 その後も、ともにパスを回しながら一進一退の攻防が続く。そして前半35分、新潟にチャンスが生まれる。ゴール前で、木暮がポストプレーで縦へスルーパス。DFラインの間を上手く射抜いたが、酒井宣福の反応が遅れ、パスが通らなかった。柏も魅せる。前半40分、大津が左サイドを突破してクロス。これにニアサイドで北嶋がダイビングヘッドを繰り出した。しかし、枠を外してしまった。

 ホーム戦で何とか前半のうちに追い付きたい新潟。同45分にはゴール前の混戦からPA内左でミシェウがシュートを放ったが、これはGK菅野の正面を突いてしまった。前半は柏が1-0りーどのまま折り返した。

 後半、共にメンバー交代なくスタート。開始2分、いきなり柏が好機をつかんだ。PA手前正面、レアンドロがボールキープから左の大津にパス。大津が得意のドリブルで仕掛けてDFを交わして左足のシュートを放った。しかし、これは威力がなかったうえ、GK東口の正面にいってしまった。

 新潟は左MFの木暮、左SBの酒井高徳が積極的に攻撃に絡み、また、ミシェウの個人技を活かして押し込む場面もあったが、バイタルエリアを崩せない。柏も細かくボールはつなぐが、ゴール前で2人目、3人目の動きが少なく、打開できない。しかし、一発の飛び道具で追加点を奪った。

 後半16分、左サイド、やや遠目で得たFKの場面。キッカーは名手ジョルジ・ワグネル。左足から離れた速く正確なボールに、ゴール正面で近藤直也が頭を合わせてゲットゴール。DFリーダーの今季初ゴールで2-0とリードを広げた。

 新潟は後半25分、小林に代えてMF長谷部彩翔を投入。今季、武者修行先のツエーゲン金沢から復帰した若きアタッカーを今季初出場させ、右MFへ入れた。これに伴い三門がボランチに下がった。長谷部は後半29分、PA右をドリブル突進。相手に止められたが、積極的な姿勢を見せた。

 後半30分、新潟は2人目の選手交代を行った。酒井宣福に代えてMF加藤大を投入。加藤は左MFに入り、木暮がFWの位置に上がった。対する柏もその1分後、疲れが見えていた北嶋に代えてFW工藤壮人を送り出した。

 工藤がすぐさま起用に応えた。後半36分、PA右で縦パスに抜け出し、持ち味のスピードを活かしたドリブル突破から右足を一閃。丁寧にゴール左下に決め、試合を決定づける3点目を決めた。余裕が出てきた柏は同37分、田中に代えてMF澤昌克を投入。さらにその2分後、大津に代えてMF兵働昭弘を送り出し、交代枠を使い切った。

 新潟は後半44分、最後のカードを切る。だが、攻撃の選手ではなく、DFの千葉に代えてDF大野和成を入れた。ロスタイムは4分あったが、試合はそのまま終了。柏が2試合連続の3得点で2連勝し、首位をキープ。新潟は悔しい今季初黒星となった。

(取材・文 近藤安弘)

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