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新潟は5戦2失点の堅守が崩れ初黒星。攻撃陣もシュート1本……

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[5.14 J1第11節 新潟0-3柏 東北電ス]

 ついに黒星が付いた。アルビレックス新潟は開幕から2勝3分の5位と好調を維持していたが、ここまで5戦2失点のリーグ最少失点の堅守が崩され、0-3の完敗を喫した。

「相手のほうが素直にうまかった。うまくやられた感じ。0-1で粘っていればチャンスが来るかなと思っていたけど、セットプレーで2失点目を喫して、精神的に苦しいものがあった」

 DF千葉和彦は後半16分の2失点目、FKから近藤直也に決められたヘディング弾を悔やんだ。「粘れずにずるずる失点してしまった。1失点したあとのセットプレーでの失点、あれがとにかくもったいなかった。失点するまでは崩されていなかったけど……」とU-22日本代表候補DF鈴木大輔も肩を落とした。

 途中までは良かった。ベテランMF小林慶行が「前半の20分くらいまではいい形で守れていた」と振り返った通り、前半から持ち味の守備力を発揮。MFレアンドロ・ドミンゲスらが個人技でぐいぐい押し込んできたが、粘り強く守っていた。前半23分、スルーインの流れから最後はクリアボールを拾われてDFジョルジ・ワグネルに先制点を決められた。だが、その後も何とか耐え抜くことができていた。

 しかし、セットプレーで失点。完全に集中力が落ち、闘争心もなえていった。小林も「セットプレーでやられてしまっては、こういう展開になる」とうつむいた。黒崎久志監督も「うちとしてはホームのアドバンテージを生かして積極的にいこうと話していた。だが、相手の総合力はゲームの通り。完成されているチームだと確認させられた。相手の武器で2発食らって厳しい状況に追い込まれた感じだった」と悔しがった。

 MFマルシオ・リシャルデスにDF永田充と攻守の要が浦和に移籍し心配されていたが、柏戦までの5試合は3-0(福岡)、1-1(磐田)、1-1(C大阪)、1-0(神戸)、0-0(大宮)と計2失点で、2試合連続無失点中だった。それだけに、まさかの3失点となった。

 ただ、DFだけのせいではない。この日はFWブルーノ・ロペスとMFチョ・ヨンチョルの攻撃の核を欠た。高卒ルーキーのFW酒井宣福がプロ初先発するなど苦しい状況だった。チョがいなければ、サイド攻撃の迫力も半減。この日は途中までボールを運べても、バイタルエリアで押し込む力はなく、シュートも1本のみに終わった。攻撃の時間が少なくなれば、おのずと守備陣に負担が圧し掛かってくる。攻守がかみ合わない中での初黒星となった。

(取材・文 近藤安弘)

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