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名古屋は2戦連続3失点での敗戦、増川が負傷交代し、次節・柏戦へ不安募る

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[5.15 J1第11節 甲府3-1名古屋 中銀スタ]

 名古屋グランパスは甲府に1-3で敗れ、ACL最終節のアルアイン戦(1-3)に続く公式戦連敗を喫した。守備の要であるDF田中マルクス闘莉王が負傷離脱する中、ここ2試合で計6失点。さらには、この日の試合でDF増川隆洋が負傷交代するなど、昨季王者が追い込まれている。

 敗戦を受けてストイコビッチ監督は試合後のテレビインタビューで「上手くいかない要因というのはケガ人や過密日程があると思う。だが、それを言い訳にはしたくない。あくまで一つの要素だということ」と強調したが、その言葉には説得力はなかった。過密日程を考慮して主力を温存して臨んだ11日のACL最終節・アルアイン戦では1-3の敗戦。2位に甘んじて、グループリーグの首位通過を逃した。過酷なスケジュールに加えて、DF田中マルクス闘莉王やFWケネディ、MF金崎夢生が故障で不在。そのような状況下、今節はACLの決勝点に絡むなどに、一人気を吐いているFW久場光が4-4-2の2列目左でリーグ戦での初先発を果たした。

 前線のメンバーを入れ替え、フレッシュな布陣で相手守備陣を崩しにかかりたいところだったが、押し込まれる時間が続いた。バイタルエリアで自由にボールを持たせ、ミドルシュートを打たれる。ポストに助けられるなど、昨季王者らしくない展開が続く。そして前半27分、中央への折り返しをFW阿部吉朗にダイレクトボレーで決められた。それでも同39分、PA外右で獲得したFKをMF藤本淳吾が直接沈めて1-1。藤本の移籍後初のリーグ戦ゴールで試合を振り出しに戻した。

 後半には、久場に代わって長期離脱していたMFダニルソンが出場。藤本がトップ下に入り、ダニルソンとMF中村直志がダブルボランチに入る4-2-3-1システムに変更した。後半25分には、藤本の右CKにニアサイドでフリーの増川が頭で合わせたが、枠を外れた。一番の決定機を外すと、このプレーで増川が足を負傷。交代を余儀なくされる。MF吉田眞紀人が入り、ダニルソンが最終ラインに回った。しかし、そこから歯車が狂いだした。わずか1分後の同26分、FWハーフナー・マイクに決められて勝ち越しを許すと、同33分には相手の左クロスにダニルソンが対応したがFW松橋優に前を取られると、ヘデイングュートを決められ、3失点目を喫した。なんとか追い上げにかかろうとするが、シュートまで持ち込めず。そのまま試合は終了し、1-3での敗戦となった。

 指揮官は「我々は勝ちに値するプレーはできていなかった。相手の方が勝ちに値するプレーをしていた」と一言。これで今季2敗目となり、リーグ戦では1勝2分2敗と、わずか1勝しか挙げることができていない。次節は首位に立つ柏が相手だ。この日、負傷交代した増川の状況も気になるところ。連覇を狙う名古屋にとって、早くも正念場が訪れた。

(文 片岡涼)

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