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浦和-C大阪はドロー。浦和4戦白星なし、C大阪いまだ未勝利

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[5.15 J1第11節 浦和1-1C大阪 埼玉]

 J1第11節の2日目が各地で行われ、埼玉スタジアム2002では3連敗で17位の浦和レッズと開幕から3分1敗と未勝利のセレッソ大阪が激突した。浦和が前半8分にFW原口元気の2試合連続となる今季3得点目で先制したが、同35分にC大阪のMF清武弘嗣が今季リーグ戦初ゴールを決めて同点とした。後半、ともにゴールを狙ったが、そのまま1-1に終わった。浦和は連敗を3でストップさせたが、これで4試合連続で白星なし。C大阪は4試合連続ドローで、これで開幕から5戦白星なしとなった。

 浦和はMF鈴木啓太が開幕戦以来5試合ぶりに先発。システムが4-2-3-1から4-1-2-3に変わりGKは山岸範宏、DFラインは右から高橋峻希、スピラノビッチ、永田充、宇賀神友弥。アンカーは鈴木啓太が務め、その前に右に柏木陽介、左にマルシオ・リシャルデスが構えた。前線は右からエスクデロ・セルヒオ、エジミウソン、原口元気が入った。

 対するC大阪はMF中後雅喜がベンチスタートで、MF倉田秋が2試合ぶりに先発復帰した。システムは4-2-3-1でGKはキム・ジンヒョン、DFラインは右から高橋大輔、茂庭照幸、上本大海、丸橋祐介。ダブルボランチはキム・ボギョンとマルチネスが組み、2列目は右から倉田、清武弘嗣、乾貴士が入った。1トップはホドリゴ・ピンパォンが務めた。

 ともに負けられない一戦。最初に主導権を握ったのはホームの浦和だった。持ち味のサイド攻撃を発揮したほか、柏木が前目に入ったことで前線に動きが出た。そして前半8分、貴重な先制点を奪った。PA中央でパスを受けたマルシオがヒールで落とし、これに柏木が反応。相手に体を寄せられたが、何とか粘ってつなぎ、原口元気が右足を一閃。ゴール左に流し込み1-0とした。

 C大阪はACLがあり、強行日程が続いているが、何としても今季リーグ戦初勝利が欲しいところだった。失点後も得意のショートパスとドリブルでチャンスをうかがう。前半15分にはルーズボールを倉田が拾ってスルーパス。これに乾が抜け出してループシュートを狙うが、精度を欠いて上に外してしまった。

 その後、C大阪はシステム上、手薄になっている浦和のDFラインとボランチの間のスペースに乾や倉田が上手く入り込み、攻撃を仕掛ける時間が続く。そして前半35分、同点に追い付いた。永田から鈴木へとみられるパスを清武弘嗣が奪い、ピンパォンとのワンツーで抜け出して右足シュート。ゴール左にきっちりと決めて試合を振り出しに戻した。前半はそのまま1-1で折り返した。

 後半、ともにメンバー変更なくスタートした。開始3分、浦和が好機を得る。中央でエスクデロから左前のエジミウソンへ。エースはドリブルで仕掛けてPA内左で左足を振り抜こうとしたが、上本にブロックされた。その2分後、C大阪も反撃。PA右で乾がスルーパスを通し、ピンパォンが中へ折り返す。これを左からは走り込んできた清武が右足でシュートを放ったが、精度を欠いて外してしまった。

 後半15分、C大阪は高橋に代えてDF酒本憲幸を投入した。連戦の疲れか、高橋は原口の対応で苦しんでいたため、その対策を講じた。浦和は同17分、高橋が右から持ち込み左足のミドル。無回転気味のシュートになったが、これはGKキムの好セーブで防がれた。さらにその1分後、鈴木が右から左足ミドルを放ったが、GK正面だった。

 C大阪は後半22分、清武に代えてMF中後雅喜を投入。これに伴いシステムが微調整された。中盤は中後を真ん中に左にマルチネス、右前方にキムというトリプルボランチのような形をとり、倉田がトップ下、乾がより2トップに近い位置に陣取った。浦和は同30分、やや疲れが見えていた鈴木に代えてMF山田暢久を入れ、そのままアンカーに据えた。

 C大阪は後半31分にチャンスをつかんだ。速い攻撃から倉田がPA右でスルーパス。これに乾が抜け出し、フリーで右足シュートを放ったが、威力がなかったうえ、GK山岸の正面に蹴ってしまった。浦和は同37分、宇賀神に代えてDF野田紘史を入れた。その1分後、再びC大阪がチャンスを得る。キムの右からのCKがクロスバーをかすめ、こぼれ球をピンパォンがシュート。これは惜しくもサイドネットに刺さった。

 勝利が欲しい浦和は後半40分、エジミウソンに代えてヘディングのあるFW高崎寛之を投入。その2分後、C大阪も乾に代えて191cmと長身のFW小松塁を送り出した。後半44分、C大阪はPA右で酒本がテクニカルな反転で相手を交わして横パス。これをマルチネスが左足で合わせたが、わずかに左に外れた。ロスタイムは3分あったが、ゴールは生まれず。ともに攻撃的な姿勢を存分に発揮した面白い試合だったが、1-1ドローの痛み分けに終わった。

(取材・文 近藤安弘)

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