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ACLは決勝Tもリーグ戦は未勝利、乾「日本のほうがレベルが高い」

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[5.15 J1第11節 浦和1-1C大阪 埼玉]
 攻め込んでチャンスは作っても、勝利が遠い。セレッソ大阪は前半35分にMF清武弘嗣のゴールで追いついたあとも果敢な攻めで決定機を作ったが、逆転弾を奪えず。ACLでは健闘を続ける中、リーグ戦は4試合連続のドローで、開幕から5戦未勝利となった。
「勝ちたかったですけどね……。失点はもう少し気をつけないといけない。甘い部分が出てる。それが勝てない理由。攻撃でも、チャンスは僕も2本あったし、他の選手にも何本かあった。そこを決め切れないのも甘さ」
 MF乾貴士が悔しそうな表情で吐露した。前半8分の立ち上がりに失点。ゴール前での速い攻撃に対応しきれなかった。これで、リーグ戦5試合中4試合で先制点を許した。意識はして気をつけてもいたが、同じミスをやってしまった。清武は「最近、立ち上がりが悪くて、また今日も入れられた。それで難しい試合になった」と嘆いた。ACLもあり、初めて経験する過密日程が影響している部分がないとはいないだろう。
 とはいえこの日は、最初の失点もそうだが、その後の決定力不足も悔やまれる。シュートは浦和の倍の14本を放ち、清武のほか、ピンパォンやマルチネスも好機を迎えたが、決め切れなかった。乾自身も明かしているが、2度の決定機を決められなかった。
 前半15分、倉田秋のスルーパスに反応し、ループシュート。これは精度を欠いて上に外してしまった。実はこのシュート、「ループじゃないです。ダフった? はい。技術がない。練習していかないと」と乾。後半31分にも倉田のスルーパスを受けて右足でシュートを放ったが、前回の失敗が脳裏をよぎったのか、置きに行きすぎたのか、今度は威力がなく、GKの正面を突いてしまった。
 先制されても負けなかった、というよりは、勝てなかった試合と感じている。レヴィー・クルピ監督は「正直に言って勝てた試合だった」と悔やんだ。倉田も「内容は勝っていた。でも、勝ち切れなかった」と嘆いた。清武も「負けなかったけど、勝ちたかった。今のチームには勝ちが必要」とうつむいた。
 ACLでは初挑戦ながら決勝トーナメント進出を決める躍進を見せたC大阪。だが、リーグ戦を4分1敗と苦戦している。少しおかしな現象といえるが、乾は「それは日本のほうがレベルが高いということだけで、その中で、できてへんということ」とこぼした。ただ負けてはいない。この苦労をきっと、チームのさらなる成長につなげる。
[写真]C大阪MF乾
(取材・文 近藤安弘)

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