beacon

谷口、千真、大黒!! 横浜FMが4発沈め甲府に大勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.21 J1第12節 横浜FM4-0甲府 日産ス]

 J1第12節の2日目が21日に各地で行われ、日産スタジアムでは横浜F・マリノスヴァンフォーレ甲府が対戦した。甲府は前節に名古屋を下して今季初勝利と、勢いに乗っているかと思われたが、横浜FMが圧巻のゴールショー。前半のうちにMF谷口博之の先制弾やFW渡邉千真の追加点、さらにFW大黒将志の2得点で4-0のリードを奪い、そのまま4-0で勝利をつかんだ。

 横浜FMは4-4-2システムを採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、波戸康広。中盤はダイヤモンドでアンカーに小椋祥平、2列目は右に中村俊輔、左に兵藤慎剛が入り、トップ下は谷口博之が務めた。2トップは大黒将志と渡邉千真が組んだ。FW小野裕二は右大腿部筋損傷で欠場した。

 対する甲府も4-4-2を採用。GKは荻晃太、DFラインは右から市川大祐、ダニエル、山本英臣、吉田豊。ダブルボランチは伊東輝悦と保坂一成が組み、2列目は右に内田智也、左に永里源気が入った。2トップは阿部吉朗と古巣との対戦となったハーフナー・マイクが組んだ。

 立ち上がりから横浜FMがボールを支配。中盤で俊輔を中心に上手くキープし、裏を狙う。そして前半11分、武器の飛び道具で先制点を奪った。右CKを名手中村俊輔が左足で蹴り込み、ニアで谷口博之が頭を合わせゴールネットを揺らした。開幕から7試合目での移籍初ゴールで1-0リードをつかんだ。

 その後も横浜FMは攻撃の手を緩めない。前半17分には後方からの縦パスで渡邉千真が抜け出しドリブル突進。PA内右でDFを交わして左足を一閃し、早い時間に追加を奪った。この日の横浜FMは高い決定力を見せつける。前半25分には波戸が左サイドを仕掛けてクロスを入れる。これを渡邉が落とし、大黒将志が反応。左足で流し込んで3-0と大量リードを奪うことに成功した。

 甲府は前半36分、吉田の縦パスに阿部が快足を活かして抜け出し、深い位置から折り返したが、DFにブロックされた。同38分には永里が左足でミドルシュートを放ったが、これは大きく枠を外した。前半終盤になっても横浜FMのゴールへの意欲は衰えない。前半40分、右サイドでパスを受けた渡邉が抜け出し右足でクロス。これをニアで大黒将志がヘディングシュートを沈め、4-0と突き放した。

 後半開始から、甲府は一挙に2人を入れ替えた。永里に代えてFW柏好文を、内田に代えてMF片桐淳至を送り出した。後半、横浜FMが少しパスミスが増えたこともあり、甲府はボールを回す時間ができた。後半3分、吉田が左足でミドルシュート。これは枠を外れたが、攻撃にリズムが出てくる。

 後半12分にはPA内右で柏のパスを受けたハーフナーが突破を試みる。倒されたように見えたが、笛はならなかった。同12分、今度はハーフナーが中澤のマークを受けながらもPA中央でボールをキープし、攻撃参加してきた吉田に落とす。吉田のシュートはゴールにはつながらなかったが、CKゲットに成功した。

 4-0と余裕があるためか、または中盤の運動量を増やすためか、横浜FMは後半14分、俊輔に代えてMF狩野健太を投入した。さらに同20分には渡邉に代えてMF長谷川アーリアジャスールを送り出した。後半19分、甲府は片桐が左足でミドルシュートを放ったが、GK飯倉の正面を突いた。

 甲府は後半30分、保坂に代えてFW金信泳を投入。金は左MFに入り、片桐がボランチに下がった。中盤の攻勢に苦しむ横浜FMに対し、甲府は縦への速い攻撃でゴールを狙う。しかし、バイタルエリアでは栗原&中澤のCBコンビのほか、ボランチの小椋らが堅守を発揮。簡単には攻め込ませない。

 横浜FMは後半39分、大黒に代えてDFキム・クナンを投入。キムはCBではなくFWに入り、センターに構えた。そして後半42、キムが魅せた。長谷川の縦パスに抜け出してPA内左を突進。ステップフェイントでDFを揺さぶり左足でシュート。これはGK荻の好セーブに弾かれた。このこぼれを長谷川が押し込もうとしたが、これもGK荻にセーブされた。

 甲府は後半44分、阿部の右クロスにハーフナーがヘディングシュート。しかし、マークが厳しいため強いシュートが打てず、GK飯倉にキャッチされた。ロスタイムは2分。甲府は最後まであきらめずにプレーしたが、横浜FMの集中力も途切れない。試合は前半の4点を守った横浜FMが4-0で勝利した。

(取材・文 近藤安弘)

TOP