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横浜FMは“トップ下・谷口”が移籍初ゴール&大量点をお膳立て!

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[5.21 J1第12節 横浜FM4-0甲府 日産ス]
 今季最多となる圧巻の4発ゴールショーを前半だけで披露した横浜F・マリノス。その先陣を切ったのはMF谷口博之だった。0-0の前半11分の右CKのチャンス。MF中村俊輔の狙い澄ました左足のキックに、谷口がニアで頭を合わせた。開幕から7試合目での移籍初ゴールは、攻撃陣を勢いづける号砲となった。
「ボールが良かったです。立ってればいいので(笑)。サッカーやってて、今までゴールは意識していなかった。初めて、なんか決めないといけないなというのがあったんですけど、決められて良かった」
 この日、いつものボランチからトップ下に抜擢された。もちろん、得点やアシストを期待されてだ。本人のコメントにもあるように、より攻撃的な位置を任されたことで、ゴールへの意欲も高まっていた。それが見事、形になって現れた。
「難しいプレーはできないので、簡単に簡単にやった。トップ下に入ってますけど、ゲームを作るのは俊さんだったり兵藤、小椋だと思ってる。そのために自分が動く、スペースに出る。それが自分の特徴」の言葉通り、中央でのボールの引き出しに、裏への飛び出しと持ち味の“長い距離を走る”プレーを発揮した。結果的にゴールはセットプレーだったが、この“トップ下・谷口”が攻撃力アップに効いた。その後の2得点に絡んだ。
 甲府守備陣は、谷口のプレースタイルを理解しつつも、トップ下起用に戸惑った。また、FWのようにポストプレーができたり、裏への飛び出しもできるため、横浜FMのFW陣もより位置取りが流動的になった。この日1得点2アシストのFW渡邉千真は「(谷口が)真ん中にいる時間があるので、そのときは自分はサイドに流れてやった」と明かしたが、結果的に“谷口効果”が2点目と4点目につながった。
 前半17分の2点目は、カウンター気味の攻撃から中央で谷口が右に開いた渡邉にパス。その流れからのドリブル突破から、渡邉が個人技でゴールを奪った。特に効果があったのが同40分の4点目だ。谷口の右サイドへの展開からこれまた右に開いていた渡邉が仕掛けて中へクロス。大黒将志のヘディング弾が決まった。前線が流動的になったことで、甲府守備陣もマークが絞り切れなかった。
 中村俊輔も「タニがアクセントになった。ダイヤモンドでやって、タニが間、間に入って受けて、寄せられたら裏へ飛び出していた」と谷口の動きを評価。木村和司監督も「谷口のいいところ、小椋のいいところ、大黒のいいところが出た」と新システムの手応えを口にした。
「もう少しボランチの守備にいければ。伊東テルさんと保坂さんを自由にプレーさせすぎた」と反省も口にした谷口。自身が活躍して勝ったときだからこそ、あえて課題を見つけ、気持ちを緩めなかった。次戦はアウェーで好調の仙台と対戦する。このまま上位をキープするための一つの山場と言えるが、“トップ下・谷口”が今後もキーマンとなりそうだ。
[写真]先制点を決めた谷口
(取材・文 近藤安弘)

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