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大黒が2発! 両足首痛で痛み止め服用も大活躍

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[5.21 J1第12節 横浜FM4-0甲府 日産ス]
 代役と呼ぶには申し訳ない、さすがのプレーぶりだった。横浜F・マリノスのFW大黒将志が2試合ぶりの先発で2得点の活躍。FW小野裕二が右大腿部筋損傷で離脱する中、元日本代表ストライカーが意地を見せた。
 2-0の前半25分、左サイドからDF波戸康広が仕掛けて右足で少しマイナスに中へ入れる。これをFW渡邉千真がダイレクトで前へ落とすと、大黒が鋭く反応した。利き足とは逆の左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。“ごっつあん気味”のゴールに大黒は「来い、来いと思っていた。来たんでラッキーと。GKに当たるかなと思ったけど、当たらなくて良かった。ああいうの得意なので」と笑顔を見せた。
 自身の2点目、チームを4-0と楽にさせるゴールは圧巻だった。前半40分、渡邉の右からのクロスに、ニアに飛び込んで強烈なヘディングシュートを決めた。「(甲府DF)ダニエルが見失うだろうと、一度、後ろに入って、それで前に入っていった。いいタイミングでボールが来た。試合前に千真に、サイドに抜けてシュートに行けんかったら、中に入れてくれと言っていた」とニンマリの大黒。これまた持ち味のDFラインとの駆け引きの上手さを発揮し、ゴールをこじ開けた。
 実は状態は万全ではなかった。「足は多少痛かったけですけど、試合になったらあんま関係ないんで。薬を飲んだり、集中してるんで(痛みを忘れる)。練習がイマイチやから監督としては使いづらいと思うけど、試合に使ってもらったら、頑張ろうと思っていた」。両足首を痛めており、痛み止めを服用しながらの出場だったことを明かした。
 かつての“大黒様”も31歳とベテランの域に入り、18歳の小野に先発を奪われる状況が続いていた。小野の怪我による離脱で出場機会を得たが、これで出場4試合で3得点と、さすがの結果を出している。そこには経験からくるプラス思考があるようだ。「(2-3で敗れた前節の)広島戦、出れなかったけど、出たらいこうと思ってた。出れないときは、足首が良くなるから、まあえーかとそんな感じで思ってる。出た時に頑張ろうと」。
 小野は全治2-3週間のため、今後も大黒が先発することが濃厚だ。「足は徐々に良くなってる。コンビネーションも、もう少し良くなる。練習で磨いていきたいですね。足が痛いと動き出せなくて、味方もタイミングが取りづらい。みんなに迷惑がかかっているので、練習からいいプレーをして(パスを)引き出していけるようにしたい」と大黒はさらなる向上を誓う。ゴールハンターは今後も横浜FMに歓喜を届けるつもりだ。
[写真]2得点の活躍を見せた大黒
(取材・文 近藤安弘)

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