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1G2Aの活躍も苦笑いの千真、後半20分の交代に「時間切れです、と……」

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[5.21 J1第12節 横浜FM4-0甲府 日産ス]
 ゴールにアシストに、エースらしい活躍を披露した。横浜F・マリノスのFW渡邉千真がホームの甲府戦で1ゴール2アシストと奮闘。名門の背番号「9」らしい数字を残してみせた。
 1-0の前半17分、PA右手前で縦パスに抜け出し、ドリブル突進。相手DFを切り返しで交わして利き足とは逆の左足を一閃。今季3得点目を決めた。「相手が食らいついて来ているのが分かっていたので、切り返して流し込んだ」とニンマリ。2試合ぶりのゴールで勢い付いた。
 前半25分にはFW大黒将志のゴールをアシスト。左サイドからDF波戸康広の折り返しに足を伸ばして出したもので、波戸のボールが速かっただけにトラップミス? と思った人もいたかもしれないが、正真正銘のアシストだった。「トラップで前に行きたかったけど、思っていた以上にボールが前で、うまく届かないと思って落とした。大黒さんも見えたので」と明かした。
 前半40分にはクロスでゴールをアシストした。右サイドでパスを受けて仕掛けると、速めのボールを入れて大黒のヘディング弾を導いた。「とりあえず速いボールを入れようと思った。クロスはあまり得意ではないんですけどね」と自身もびっくりするほどの精度の高いボールだった。
 後半20分にMF長谷川アーリアジャスールと交代した際には、サポーターからの拍手とコールで包まれたが、ベンチでは“オチ”が待っていた。木村和司監督からかけられた言葉は「“時間切れです”、と……」。指揮官はハーフタイムに「きょうは“ちゃぶれる”チャンス」と選手にさらにゴールを奪うよう厳命していたのだ。
「後半も5点目、6点目を取りに行けと言ったのだけど、言うことを聞かんかったね。まあ守備的なチームですから、4点取れればいいでしょう」と木村監督。会見では「久しぶりに楽しかった」と前半の4得点に満足はしていたが、攻撃陣や途中出場の選手にさらなる貪欲さを求めた。
 特に渡邉はエースということもあり、あえて厳し目の言葉を発したといえる。もちろん渡邉もそこは理解している。今季目標にしている20得点、そしてザック・ジャパンの選出に向けて、いやいや、まずは厳しい木村監督を満足させるべく、これからもゴールを狙い続ける。
[写真]追加点を決めた渡邉
(取材・文 近藤安弘)

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