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甲府は最多4失点に6試合ぶり無得点、ハーフナー「チンチンにされた」

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[5.21 J1第12節 横浜FM4-0甲府 日産ス]
 手も足も出なかった。前節は王者・名古屋を下したヴァンフォーレ甲府だったが、横浜FMを相手に前半の40分で4失点。三浦俊也監督は「ご覧のように前半で決まってしまった。1対1の場面を含めて相手のFWの良さを出させたという意味で戦えてなかった」とうなだれた。
 持ち味の守備が崩壊し、今季最多の4失点を食らった。前半11分の1失点目のセットプレーは仕方ないにしても、その後が悪かった。いずれのゴールも守備陣が1対1で振り切られて、失点につながっている。理由は中盤の守備にあったようだ。
 MF伊東輝悦は「俊輔を気にしすぎたというのはある。それで中盤とDFの間が開いてしまった」という。DF山本英臣も「うちのCBとボランチの間に(横浜FMの攻撃の選手に)顔を出された。そこが勝負のカギで、先手を取られてしまった」と説明した。
 流動的に動くMF中村俊輔やトップ下の谷口博之ら横浜FMの中盤に、うまく空いたスペースを使われ、そこを対処しようとプレスに行くと、DFの裏にボールを出された。そして1対1の苦しい場面を作られた。山本は「そこ(俊輔)を逆につぶしに行かず、少しフリーにさせても、コンパクトにして守るというのをしてもよかった」と反省を口にした。
 攻撃面もうまくいかず、開幕・磐田戦以来6試合ぶりの無得点に終わった。シュートは9本放ったが、それは相手がペースダウンした後半に7本を放ったから。前半は2本のみ。MF永里源気は「今まで戦った中で一番、守備の組織がしっかりしていた。スキもなかった」と悔しそうな表情を浮かべた。古巣が相手で気合が入っていたFWハーフナー・マイクは3本のシュートを放ったが、決定機はなかった。3試合連続ゴールは果たせなかった。
「強いっす。それしか言えない。個人も組織も、すべてにおいて相手が上回っていた。改めてここがJ1だと感じた。ここまでの6試合は手応えがあったけど、きょうはチンチンにされてしまった。日産スタジアムで決めたいというのはあったけど……」
 ハーフナーは唇をかんだ。ただハーフナー自身は、競り合いでの強さやポストプレーなど、まずまずの動きは見せた。もう少し、その動きを感じ取ってくれるパサーがいれば、強豪からも点を取れそうな気配はある。エースは「同じ過ちは繰り返せない。練習から積み重ねてやっていきたい」と一から出直すことを誓った。この悔しさをさらなるチーム力アップにつなげる。
[写真]不発に終わったハーフナー・マイク
(取材・文 近藤安弘)

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