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新潟のU-22・鈴木がJ初ゴール、「良い弾みを付けて代表に行きたかった」

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[5.28 J1第13節 浦和1-1新潟 埼玉]
 J初ゴールが値千金の同点弾となった。アルビレックス新潟は0-1の後半25分、左サイドでFKをゲット。MF藤田征也が直接狙い一度はGK山岸範宏に弾かれたが、こぼ球をつないで最後はU-22日本代表DF鈴木大輔が右足で押し込んだ。6試合ぶりの白星を目指した浦和の思いを砕いた。
「ごっつあんという感じです。ほんといいボールが来たので、オフサイドかなと思ったけど、落ち着いて触れた。入ったときは、ホッとしました。Jリーグ初ゴールなので、気持ちよかったです」
 今季出場7試合目、J1通算12試合目で奪ったリーグ戦初ゴール。結果的にこれが連敗を2で止めるゴールとなった。前半22分にセットプレーから失点していただけに、CBとしては“名誉挽回”の一発。そもそも「なかなかせっとプレーで得点することがなくて、セットプレーで取りたいと(チームメート)と話していた」そうで、個人としてもチームとしても大きなゴールとなった。
 浦和にはFWエジミウソンや昨季まで共にプレーしていたMFマルシオ・リシャルデスなど強力な攻撃的MFがいたが、鈴木ら守備陣が奮闘して封じ込めた。浦和全体で打たせたシュートは6本のみ。エジミウソンについては鈴木がマークを担当し、セットプレーでバックヘッドによる不運なヘディング弾を許したが、それ以外は粘り強い守備を見せた。「1対1で仕掛けてくるので、あまり飛び込まずに行こうと思った。それでも怖がらずにやろうと」。
 プロ入り後は一緒にプレーしていないが、星稜高校時代の2007年には新潟の特別指定選手で、当時は新潟のエースだったエジミウソンのプレーを間近で見ていた。もちろん、この試合に向けて練習から入念な対策を練った。この日は浦和が2トップに変更してきたが、練習やミーティングでやってきた対策を活かし、敵地での最少失点に成功した。
 J初ゴールは、ロンドン五輪予選にもつながりそうだ。「良い弾みを付けて代表に行きたい思いがあった。あまり意識していたわけではないけど、ゴールを決められて良かった」。30日にはU-22日本代表合宿が始まり、6月1日には強化試合・U-22オーストラリア代表戦を行う。くしくも試合会場は新潟の本拠地・東北電力ビックスワンスタジアム。“凱旋ピッチ”に立つためのアピールにもなった。
 U-22日本代表は、CB不足に悩まされている。チームで完全にレギュラーを獲得しているのは鈴木だけで、関塚隆監督も期待を寄せている。6月19日、同23日にはロンドン五輪アジア2次予選・U-22クウェート代表戦が控えており、鈴木が波に乗ったまま“本番”に挑めればプラスとなる。
「クウェート戦まで時間がないので、もっと自分をアピールして試合に出られるようにしたい。まずは新潟のホームのサポーターの前で活躍している姿を見せたいです」。愛する新潟のファンの前で好ゲームを披露してレギュラーを確実にし、五輪予選へ-。鈴木の表情には強い決意がみなぎっていた。
(取材・文 近藤安弘)

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