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前半は3-4-3、後半は4-2-3-1を採用もザックジャパンはスコアレスドロー

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[6.1 キリン杯 日本0-0ペルー 東北電ス]

 日本代表は1日、キリン杯第1戦でペルー代表と対戦し、0-0で引き分けた。前半は3-4-3、後半は4-2-3-1で戦ったが、90分間を通して決定的なチャンスはほとんどなく、終盤のピンチはGK川島永嗣が再三の好セーブでゴールを守った。
 消化不良のスコアレスドローに終わったが、昨年10月8日のアルゼンチン戦(1-0)で初陣を飾ったザッケローニ監督は、就任からの国際Aマッチ連続無敗記録を9に更新。さらに岡田武史前監督が指揮していた昨年6月24日の南アフリカW杯・デンマーク戦(3-1)以降、国際Aマッチ13試合連続無敗(8勝5分、PK戦は引き分け扱い)となり、代表史上歴代1位の新記録を樹立した。

 日本は3月のチャリティーマッチに続いて3-4-3のシステムを採用した。A代表初選出のMF西大伍が中盤の右サイドでA代表初出場初先発。2年4ヵ月ぶりの代表復帰となったDF安田理大が左サイドに入り、3トップの右サイドではFW関口訓充が国際Aマッチ初先発となった。
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 立ち上がりは3-4-3のディフェンスがうまく機能した。サイドに追い込んでプレッシャーをかける。相手の1トップに入ったFWファルファンの個人技に手を焼く場面もあったが、最終ラインが体を張って対応した。

 前半9分には狙い通り高い位置でボールをカットし、MF長谷部誠のパスを受けた関口が右サイドを駆け上がる。中央に折り返したボールをFW前田遼一が落とし、MF遠藤保仁がミドルシュートを狙ったが、DFのブロックに阻まれた。同17分には遠藤のロングフィードに反応した関口がPA内まで走り込むが、わずかに届かず、GKがキャッチ。同23分のFKのチャンスでは、遠藤がゴール前にクロスを入れると見せかけ、PA外でフリーの長谷部に横パス。しかし、長谷部のシュートはゴールのわずか左へそれた。

 ゲームの主導権を握りながらなかなか攻め切れない日本に対し、ペルーは前半27分、MFバルビンが思い切ったロングシュートを放つが、GK川島永嗣がCKに逃れる。その1分後にはお返しとばかりに長谷部が右足ミドルを狙うもゴール右に外れた。

 ペルーも徐々に日本のプレッシャーに対応。前半32分にはMFクエバがファルファンとワンツーの形で左サイドを突破し、クロスを送ったが、DF今野泰幸が何とかゴール前で弾き返した。日本は5バック気味になる時間が増え、攻撃に人数をかけられない。サイドで数的優位をつくる3-4-3システムの利点を生かせず、試合はこう着状態に。両チームともに決定的なチャンスを迎えることなく、前半を0-0で折り返した。

 日本は後半開始から西に代えてFW本田圭佑を投入し、システムも4-2-3-1に変更した。4バックは右からDF伊野波雅彦、DF栗原勇蔵、今野、安田。2列目は右に岡崎慎司、左に関口と左右を入れ替え、本田はトップ下に入った。

 1月のアジア杯を制した慣れ親しんだシステムに戻した日本は徐々に中盤でパスが回るようになり、後半9分には遠藤の縦パスを受けようとした前田がファウルを受け、FKを獲得。右45度の位置から本田が左足で直接狙ったが、枠は捉えられなかった。

 なかなか攻め切れない日本は後半22分、前田に代えてFW李忠成、関口に代えてDF長友佑都をピッチに送る。李はそのまま1トップ、長友は2列目の左サイドに入った。ところが、この直後に安田が負傷し、ピッチを離れる。後半26分、そのままFW興梠慎三と交代。興梠が中盤の左サイドに入り、長友は左SBに下がった。

 後半30分には伊野波に代わって国際AマッチデビューとなるMF森脇良太を投入。そのまま右SBに入ると、積極的なオーバーラップからクロスを上げるが、得点にはつながらない。同38分にはピンチを招き、PA内に進入したMFロバトンに折り返されたが、かろうじて森脇がクリアした。

 ほとんどシュートシーンのない日本。後半39分、長友が中央に戻したボールを本田が受けると、一度はDFに倒されたが、すぐに起き上がり、左足ミドルを放つ。しかし、これもゴール左へ。同40分、長友の左クロスを李が胸で落とし、岡崎がボレーシュートを狙ったが、ミートできなかった。

 終盤はピンチの連続。後半41分、MFジョトゥンの強烈な左足ミドルはGK川島永嗣が何とかパンチングでCKに逃れる。同42分にはFWルイディアスのミドルシュートがポストを直撃。同44分、ロバトンのミドルを再び川島が弾くと、このプレーで与えたCKをルイディアスが頭でつなぎ、至近距離からMFラミレスに決定的なヘディングシュートを許したが、なんとか川島が手に当ててゴールを死守した。

 日本は後半46分に長谷部に代えてMF細貝萌を投入。何とか無失点でしのぎ、後半50分のラストプレーで遠藤が狙った直接FKもゴール左に外れ、試合は0-0で終了した。

(取材・文 西山紘平)

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