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日本vsチェコ 試合後の選手コメント

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[6.7 キリン杯 日本0-0チェコ 日産ス]

 日本代表は7日、日産スタジアムでチェコ代表と対戦し、0-0で引き分けた。1日のペルー戦(0-0)に続いて3-4-3を採用したザックジャパン。この日は3-4-3を90分間継続し、攻守に一定の改善は見えたが、2試合連続の無得点に終わった。3チームが2分の勝ち点2(得点0、失点0)で並んだキリン杯。史上初となる3チームの同時優勝で幕を閉じた(日本は大会4連覇)。
以下、試合後の選手コメント

●FW李忠成(広島)
―初先発でしたが、プレーを振り返ると?
「すごくいい経験ができたと思う。今後に生きる経験だと思う。得点は取れなかったですけど、次につながると思う」
―手応えを感じた部分は?
「自分のプレースタイルを実戦の中で味方が分かってくれたのが一番大きかったと思う。くさびも入れる回数がだんだん多くなった。自分のプレーを見せる場面が増えた。最後のフィニッシュの部分をこれからもっと高めていければ、何点でも取れるのが、日本のサッカーだと思う」
―後半33分には惜しい場面があったが、振り返ると?
「チェフがどうこうより、あそこは決めないといけないと思いますけど、相手もすごくうまく寄せてきたし、まあ、チェフが持つ存在感が自分以上でした。左足で押し込んだんだけど、ちょうどチェフの手がそこにあった。手が出てきたというより、ボールのところに普通に手があった」
―あの場面はこの試合の最大のチャンスだった。悔しいのでは?
「結果を求めないといけないけど、内容を見たときに、すごくポジティブで今後に生きるようなパフォーマンスだったと思う。あのシュートが入っても入っていなくても、自分の中では次につながる。もっともっとうまくなって、決めないといけないところで、決められる選手になりたいと思います」
―サイド攻撃において前線のコンビはどうだった?
「初めての3-4-3で、ペルー戦の前半を見てて、俺が入ったらどうなるんだろうと結構不安でしたけど、(本田)圭佑もオカ(岡崎)もすごくプレースピードが速くて、うまい具合につなげたと思う。もっともっとコンビネーションをよくすれば、もっと決定機をつくれる。また(ゴールを)入れられるように練習から課題をもってやっていきたい」
―大きい選手が相手でも、ポストプレーはできたようだが?
「思ったよりできました。自分の想像の方が、はるかに強いディフェンダーを想像していた。チームが掲げている目標はW杯のベスト8以上。ああいう相手でも、普通にやらないといけないと思う。やれなかったら、ダメだなと思っていて、楽しみな気持ちで試合に臨んでいた」
―本田選手がかなり中盤に下がっていたが?
「後ろの方でビルドアップが難しくなったので、あえて下がってビルドアップに入って試合を落ち着かせた感じです。監督は容認していた? これから言われると思う。ああいうときはどうしたらいいのかというのを」

●FW本田圭佑(CSKAモスクワ)
―ペルー戦よりはよくなった?
「何を目指して話すか。いいとは言えない。(自分が出場した)こないだの後半は4-2-3-1だったし、比較はできない。欧州のチームとやるときは、基本的に後半勝負だと思っている。まだまだですね、全体的に。いろんな要素があるので、監督はポジティブなことを話していると思うけど、そのレベルで会話してちゃいけない。全体的にさすがだなと言われるようにならないと。最低ラインという意味ではよかった。これからよくなっていくという意味で。それぞれが(クラブに)帰って、意識しないと技術は上がらない。どれだけアンビション(野望)を持ってやれるか。そこが難しい。そういうちょっとしたところが得点に結び付く。(クラブに)戻ったとき、個を求める者、決定力を求める者、体を張って守る能力を求める者。それが次に集まったとき大事になる。今日がスタート。欧州組にはあんま休むなと言いたい。(吉田)麻也なんてまだ若いんだし」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―ゴールが取れなかった。
「一番は、個々のレベルを上げないといけない。システムとかじゃなくて。一人かわしたり、ひきつけたり、タメをつくったり、そういうところで相手もやっぱり固かった。そこをこじ開けないといけない。それが普通になってこないと、ああいう相手は崩せない。システムがはまるか、はまらないかというより、最後のところで点を決めるか決めないかは個々のレベルだと思う。そういうところで、まだまだだったかなと」
―後半33分のヘディングシュートは惜しかった。李忠成とのコンビはよかったように思うが?
「ちょっと弱かったですね。(李とは)結構近いところでできたのでよかったと思う。1個かみ合えば、ゴールまでいけるんじゃないか、というところまでいけた。それは収穫だった。ボールのもらいどころも、前回より高い位置でもらうように心がけて、それができた。あとボールを取られることが多かったので、それは自分の反省です」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「1点取って勝つのと、2試合とも0-0で終わるのとでは全然違う。勝って次に勢いを付けたかった」
―無失点だったことは?
「守備もこないだよりよかったかなと思う。怖かったのはセットプレーぐらい。守備に関してはある程度高いレベルにいっていると思う。攻撃はいい形で、自分たちのやりたい形でゴール前まで行っても、欧州のチーム相手だと最後のところで決め切れない。それは今までも課題だったし、永遠の課題かもしれない。3-4-3は公式戦2試合目。後半は落ちてしまうこともあったけど、今日は続けてやっていけたし、後半の方が決定機も多かったと思う」
―3-4-3に手応えはつかめた?
「手応えは感じてますし、メンバーもいつもやっていたメンバーというのもあったし、手応えは前の試合よりは間違いなくある」
―それでも悔しそうだが?
「勝てなかったことに尽きる。いい試合をしても、これだけお客さんがいて、2試合連続でスコアレスはほんとに悔しい。まだまだ監督が満足する域には達していないと思うし。ただ、確実に進歩しているのはある。でも、これで本番(W杯予選)も勝負すると言われたとき、絶対的な確信があるわけではない」

●MF家長昭博(マジョルカ)
―自己評価は?
「もっとできると思います。プレッシャーもなかったので、もう少しボールを前に運びたかった。反省点は多い。ドリブルでもう少しボールを運べればよかった」
―国際Aマッチは07年3月24日のペルー戦以来の出場でしたが? どういうイメージでプレーした?
「普通ですね。イメージはありましたけど、普通ですね」
―相手は大型選手が多い中、ドリブルでうまくキープしていたが?
「あまり(チェコの選手は)強くなかった。自分たちにパスミスが多くて、崩せなかった。自分たちが力がなかった。この相手に勝てないようでは厳しい。まだまだ力がない」
―ループパスを出すなど落ち着いてたプレーを見せていた。
「フリーなんでね。あまり評価できないです。もっと周りにいい状態のプレーしやすいパスを出せたと思う。自分のプレーを見せられなかったのが反省点です」
―本田とはA代表では初。U-22の北京五輪予選、07年11月のサウジアラビア戦以来。楽しかったのでは?
「フリーだったら、全部ボールを預けられたらいいと思っていた。前の選手がほしいタイミングで出したいと思っていた。楽しさもありますけど、もっともっと自分自身、いいプレーができると思う。まだまだ自分の力を出し切れなかった」
―守備面はどうでした? 何回かボール奪取に絡んでいた。手応えを感じたのでは?
「あまりないです。あまり気にしてなかった、守備に関しては。なるようになると思っていた」
―これからブラジルW杯に向けて長い予選が始まるが、課題などは?
「まだまだ個人的に力を上げないといけない。チームとして機能するのも大事ですけど、まだまだ個人技、個人能力を上げないといけない。なんぼ組織で戦っても、上では勝てない。個人的な能力をもっと上げないといけない。1年間の中では代表にいないときの方が長いので、チームで自分の力を上げないといけない」

●DF内田篤人(シャルケ04)
「最初にしては監督もいいと言っていたし、点が取れれば良かったですけど、守備では危ないシーンはセットプレーくらいでした」
―守備の連係は?
「ポジショニングは問題ないと言われていた。もう少しあの高いポジションでボールを持つことに慣れれば面白いと思う。ドイツに行っても高い位置でボールを持って、そこからまた勉強かなと思う。(SBとサイドハーフは)視野も違うのでまだまだスタートだと思います」
―サイドでもう少し数的優位をつくりたかった?
「そのためのこのポジションなのでもう少し絡めていたら面白いですね」
―本田が下がったり絞ったりする時間が多かったが?
「そうですね。うまくいかない時間帯もあると思うので。(本田との関係は)特にこうしよう、ああしようという感じではない。僕と本田さんというより、(吉田)麻也と本田さんのパス交換が多い。僕とは距離が近いだけ。僕が裏に抜ける分、2人で絡むというシーンはポジションチェンジになるだけなので、そこはそんなに絡むシーンはない。ただ、もう少しFWに当てて本田さんが前を向くと面白いと思う」
―前半、本田とパス交換で考えが合わずに失った場面もあったが?
「受け手と出し手がずれるのはよくある。(自分は)裏に抜けるという意識があるから」
―後半は本田より前でもらおうとしていた?
「詰まっていたので、詰まったら裏に抜けようというのがある。足元でもらうというのもあるけど、とりあえず裏に抜けようかなと。でも最初だからうまくいかなくてもいいのではないかと思う」
―練習の何割くらいできた?
「それは分からないけど、そんな悪くないのではないかと。もっとできるとは思うけど、最悪ではない。頭の中でそれぞれイメージしているのをピッチで表現するのはそんなに簡単なことではない。試合前にも言っていたけど、我慢の時間帯がある。そういう中で一人ひとりが自分のポジションを我慢して崩さずに、DFの部分では崩されるというシーンもそんなになかった」
―今後、追加していきたいことは?
「DFライン3枚でボールを持ったとき、もう少しアイデアが出てくればね。どうしても当てて、ということになってしまうし」
―詰まったというのは?
「基本的にサイドチェンジで崩すというのではないので、裏に抜ければいいのですが、そこらへんはもうやってくしかない。慣れですよ。詰まっているというのは人が多いから。自分たちも相手も。その中でパス回しができればいいのだけど、ミスしてボールを失うこともあった。高い位置でできればいいのだけど」
―視野のことは?
「(サイドハーフは)真ん中に絞ることが多いので、後ろからDFに来られることにまだ慣れていないですね。それもまた勉強かな」
―前半、長谷部のクロスに飛び込んだ場面は?
「サイドにボールが行ったので、自分は前に入ろうかなと。一人もニアに行かなかったので、オカちゃん(岡崎)とかぶるかなと思ったけど、行った。つぶれ役はいつもオカちゃんがやってくれるけど、だれが行ってもいいんですよ。あれで点が入ってしまえば、3-4-3最高、ということになる。それで勝てればいいし、負けたら良くないと言われるだけだし、そういうのに惑わされずに自分たちがやれることをコツコツやっていけばいいと思う」

●DF吉田麻也(VVV)
―試合を振り返って。
「ペルー戦よりは良かった。押し込まれる時間帯もあったけど、その中でゼロで抑えられたことはよかった。ただ、攻撃でもっと効果的なボールを前に入れられたらよかった。日本の選手は間で受けるのはうまいので、そこに入れられたらいい」
―3バックの左右のカバーなど課題のスライドは?
「後半に押し込まれて、5バックになった場面もあったけど、そういうとき以外はなるべく我慢できた」
―試合後、本田選手と話していた場面があったが?
「相手が崩れるまで我慢してボールを出した方が良いと言われた。1回で無理してクロスをFWに入れるのではなく、ある程度、ボールを2回、3回回してつくった方がいいと」
―後ろから見て攻撃はどうだった? サイドでつないでもバイタルエリアの崩しに苦戦していたように見えるが。
「もう少し、一人ひとりが間でもらいたいけど、サポートの問題があったと思う。サイドで前に急ぎすぎたところもあるかもしれない」
―セットプレーから決定的なヘディングシュートがあった。
「決めたらヒーローでしたね。練習で浮かしていて、叩き付けなきゃと思っていたけど、とっさに来たので……」
―守備では練習の成果が出たのでは?
「サイドハーフとボランチの選手が来たとき、ウッチー(内田)と僕のどちらが付くのかというのは一番難しいところ。ウッチーがボランチを見て僕がサイドに出るとか、そういう細かい話は試合前や練習の中で話していました。試合の数が少ない中ですから、密にやっていかないといけないと思う」
―攻撃ではまずFWに出す練習をしていたが?
「FWに出すのは出せますが、それが単発になってはいけない。複数の攻撃ができればもっといいし、(身長の)高い相手がそろっている中に普通にクロスを上げても通らない。深いところにいってからもう一度戻って、そこからサイドチェンジなりを使って、相手を崩していくというのは今後やっていかないといけない」
―3-4-3はやっていけそう?
「もちろん。まあ、監督がやると言ったらやらないといけないですから。監督も言ってますがオプションの一つだし、対戦相手によっては使うときも使わないときもある。使ってうまくいかなければペルー戦のように途中から変えてもいい。今回、いろんなオプションができたと思う。次、また集まったときに、課題の部分ができるようになっているということを監督にアピールしないといけない。一人ひとりの積み重ねがチームのレベルアップにつながる」
―今回の合宿の復習はやる?
「ビデオは見ますよ。毎回やりますよ。今日は守備で何回かちぐはぐした部分があったので、そういうコミュニケーションの部分はやっていかないといけない」
―3-4-3だから昔のミランのビデオを見たりする?
「しないです。映像もないし。そのころは小学生だったし」
―今回の合宿で監督の真意を選手は得られた?
「僕はそう思っています。そうじゃないとやっていけないし、共通理解に立っていないとうまくいかない。高い位置でボールを奪えば必ずチャンスがある。悪くないオプションだと思う」

●DF今野泰幸(F東京)
―3-4-3はよくなった?
「試合が少ないから、やられてもいいじゃないけど、積極的にラインを上げて、同サイドに寄せてという守り方をした。ハマッた感はちょっとあった。ボールも奪えていたし。ただ、もっと相手のレベルが高くなって、ボランチもうまくなって、サイドチェンジされるとどうなるか。完璧とかは全然思ってない」
―後半途中から長身のネチドが入ってきたが?
「相手は前半からロングボールが多かったし、だれかが競って、セカンドボール勝負だと思っていた。3バックの真ん中というより(4バックの)CBというイメージでやっていた。だからサイドにも行くし」
―攻撃面は後ろから見ていてどう思った?
「サイドに行ったときに数的優位をつくって崩してというのはやろうとしていた。ただ、まだ精度が低いし、相手を混乱させるほどではなかった」

●DF長友佑都(インテル)
「いい感じでオカ(岡崎)が前を向けたり、タメをつくれたりするときに、いい攻撃ができていた」
―3-4-3の手応えは?
「やっていかないといけないですからね。やっぱり一つのシステムではダメだと思う。これをやっていかないと僕らも上にいけないと思う。前の選手はサイドも使えたし、決定的な部分もあったけど、このシステムはサイドを使えないと難しい。速いボールをバイタルに入れればチャンスになる。あとは精度です」
―課題は見えた?
「ボールと逆サイドのとき絞れと言われるけど、絞ったあとに高い位置を取るので、そこらへんはもう一度ポジショニングを考えてみたいと思う。僕らは一歩一歩進んでいかないといけない。今日でタイミングは分かったけど、もっとオカとコミュニケーションを取ってやっていかないと」
―明日以降は?
「とりあえずちょっと休まないとね」

●DF伊野波雅彦(鹿島)
―ビルドアップの部分は?
「自分で仕掛けてもよかったし、もっと自分からアクションを起こしてもよかった。(自分たちのFWに対して)相手のCB2人が狙っていて、当てづらいのもあった。取られてもいいから、どんどん当ててもよかった。これを次につなげないと意味ない」

●DF槙野智章(ケルン)
「この3日間ほど、ペルー戦からの修正で3バックの位置からの縦パスを狙う練習をしていた。自分が入るまでは3枚の後ろから有効な縦パスがなかったので、自分が入ったところで攻撃にスイッチが入るようにやりました。手応えも課題もある。プレータイムを伸ばして、定位置を確保していきたい」
―このシステムの良さと、4-2-3-1でも変わらない良さは?
「どのポジションに入ってもしっかり理解できたプレーをしたいと思うし、周りをもっと動かさないと自分の良さも出ない。周りとの連係を深めていけば、もっといい守備も攻撃もできると思う」
―出番が少ない悩みは?
「ありますね。所属クラブでも代表でもしっかり自分のポジションを確保できていないので、与えられた時間の中で自分の良さを出そうと必死に今日はやりましたし、少ない時間だったかもしれないけど、もっともっとフィールドに立たないといけないと、サッカー選手は試合に出てナンボだと今日思いました」
―3-4-3のCBには向いているように見える。
「皆さんが考えているのは広島のときの3バックだと思うけど、広島とザッケローニ監督の求める3バックは違っていて、僕も広島の3バックだと自分の良さが出るけど、ここでも自分の良さを出していかないといけない。練習からもっとアピールしていかないといけないです」
―オーバーラップしたいのでは?
「それはありますが、監督の求める中で自分の色を出していかないといけないです。そういうのがなくなったときに自分の良さは何であるかを考えると縦パス1本だったり、攻撃のスイッチだと思うので、守備だけではなく攻撃で自分の良さを出していかないといけない」
―ネチドが終盤に出てきたが?
「体のぶつかり合いとか激しさは好きなので、ドイツで成長した部分を見せないといけないのかなと思う。そういう意味では及第点だった」
―この1週間の取り組みを今後復習する?
「それはもちろんです。試合は課題を見つけるためにいい。結果は出なかったけど、今日の試合は課題も成果も見えたから、しっかり研究して次に生かさないといけないと思います。監督はどの選手がどのポジションに入っても同じプレーをしなくてはいけないと言っていました。そこはすごい強調します。例えば僕がFWに入ってもFWと同じような動きをしないといけない。そこらへんは他の選手のプレーもビデオで見て研究します」

●GK川島永嗣(リールス)
「一人ひとりの意識がこれからもっと大事になっていく。今日は前の試合に比べると確実に良くはなったと思うけど、自分たちはもっともっと進歩していかないといけない。次のW杯に向けて新しい選手が入って来る中、自分たちがどんどん成長していかないといけないし、高いレベルを目指していかないといけない」
―チェフを見てどう感じた?
「本当に止めるシーンでも余裕があった」
―キックもすごいが、スローも飛距離がすごかったが?
「でも……みんな飛ぶんじゃないですか。ノイアーとかもすごい飛びますしね」

(取材・文 西山紘平、近藤安弘、矢内由美子)

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