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田中に北嶋!!首位の柏が横浜FMとの上位決戦を制す!

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[6.11 J1第14節 横浜FM0-2柏 日産ス]
 J1第14節は11日に各地で行われ、日産スタジアムでは3位の横浜F・マリノスと首位の柏レイソルが激突した。勝ち点4差で迎えた上位決戦で注目されたが、柏が前半のうちに決めたFW田中順也の先制点とFW北嶋秀朗の追加点を守りきり、2-0で勝利。勝ち点を22に伸ばし首位をキープした。横浜FMは今季初の無得点で首位撃破に失敗した。
 横浜FMは4-4-2を採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から前柏の小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、元柏の波戸康広。ダブルボランチは小椋祥平と谷口博之が組み、2列目は右に中村俊輔、左に兵藤慎剛が入った。攻撃の際は、ボランチの谷口が前目に位置取った。2トップは大黒将志と渡邉千真が組んだ。
 柏も4-4-2を採用。GKは菅野孝憲、DFラインは右からU-22代表の酒井宏樹、増嶋竜也、橋本和、ジョルジ・ワグネル。ダブルボランチは栗澤僚一と大谷秀和が組み、2列目は右にレアンドロ・ドミンゲス、左にU-22代表の大津祐樹が入った。2トップは北嶋秀朗と田中順也が組んだ。
 序盤、ともにボールがうまく収まらない展開が続いたが、柏が徐々に持ち味のボール回しでつなぐ時間が増えてくる。前半14分、柏はレアンドロが巧みなドリブルで兵藤、小椋、中澤を抜いて右クロス。これは栗原にクリアされたが、この突破で柏が勢いづいた。
 横浜FMが引いて守ったこともあり、柏が完全に中盤を支配する。そんな中、貴重な先制点を奪った。前半26分、右サイドから酒井宏樹が中央にクロス。これを田中順也が巧みな胸トラップで落とし、中へパス。一度は相手DFにクリアされたが、こぼれ球を田中が拾って左足を一閃。今季4得点目を決めて1-0リードをもたらした。
 横浜FMはカウンター気味の攻撃で反撃を試みるが、うまくはまらない。前半34分、左サイドから波戸が左足クロス。これを中央で大黒がヘディングシュート。しっかりとたたきつけたが、GK菅野の正面を突いた。そんな中、柏が追加点を奪った。前半37分、右サイドで酒井宏樹が高速ピンポイントクロス。これに北嶋秀朗が走り込み、ダイビングヘッドでゴール左に突き刺した。エースの今季5得点目で2-0リードを奪った。
 横浜FMは前半ロスタイムに絶好機を迎えた。右サイドで中村俊輔がスルーパス。これに大黒将志が反応し、PA右内で切り替えしから左足を一閃。しかし、これはわずかに左に外れた。前半はこのまま柏の2-0で折り返した。
 後半開始から横浜FMが一気に2トップを入れ替えた。渡邉に代えてFW小野裕二を、大黒に代えてDFキム・クナンを送り出した。これで横浜FMはシステムを変更。2トップは小野とキムで、中盤はダイヤモンドになり、谷口が完全にトップ下の位置に上がった。
 この交代が効いたのか、立ち上がりは横浜FMが押し込む。俊輔のキープ力とパス、キムの高さと体の強さを生かしてバイタルエリア近くまでボールを運ぶ。これに谷口が絡んでいった。後半4分、谷口がヘディングシュート、同9分には兵藤が右足ミドル、同14分には俊輔が右足で狙うが、いずれも決め切れなった。柏は慌てることなく対応し、簡単にはゴールを割らせなかった。
 柏は後半20分、カウンターから右のスペースへ抜け出した北嶋へ。エースはドリブルから右足シュートを放ったが、枠を外した。同21分、柏は大津に代えてMF兵働昭弘を投入した。さらにその1分後、さきほどのシュートの際に足をつらせた北嶋がFWホジェルと交代した。
 横浜FMは後半28分、PA左で兵藤が俊輔のクロスを胸トラップして突進。PA内で柏DFに倒されたように見えたが、ホイッスルはなく、ボールは横浜FMのCKとなった。同30分、横浜FMは最後の交代カードを切る。俊輔に代えてMF狩野健太を投入した。後半35分、柏も最後の1枚を入れ替える。田中に代えてFW工藤壮人を送り出した。
 首位に食らい付くためにも負けられない横浜FMは、後半40分に決定機を作った。PA左前で攻撃参加していた栗原が右足でクロス。これをファーサイドでキムが落とし、狩野が右足でボレーシュートを放った。しかしこれは上に外れた。さらに同42分には中央でクロスに谷口が競り勝ちヘディング。ボールはゴールへ向かって行ったが、増嶋竜也が間一髪でクリアした。
 ロスタイムは3分の表示。柏は落ち着いたボール回しで時間を使う。横浜FMは少し息切れしたのか、ボールを保持できない。試合はそのまま終了。前半の2得点を守った柏が2連勝の5戦(4勝1分)負け無しで首位をキープした。
(取材・文 近藤安弘)

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