栃木が“下克上”!湘南に2-0完勝で2位浮上!!
[6.12 J2第16節 湘南0-2栃木 平塚]
J2第16節は12日に各地で10試合が行われ、平塚競技場では2位の湘南ベルマーレと4位の栃木SCが激突した。勝ち点差1で迎えた上位決戦は、栃木がエースFWリカルド・ロボのチームリーグ戦通算100得点などで2-0勝利。勝ち点を20に伸ばし2位に浮上した。湘南は最近6試合で3勝3分と好調だったが、4月30日の横浜FC戦以来7試合ぶりの黒星を喫した。
湘南は4-4-2を採用。メンバーは前節と同じでGKは西部洋平、DFラインは右から鎌田翔雅、大井健太郎、遠藤航、石神直哉。ダブルボランチはハン・グギョンと永木亮太が組み、2列目は右にアジエル、左に坂本紘司が入った。2トップは巻佑樹と高山薫が組んだ。
栃木も4-4-2を採用。メンバーは前節と一部が変更となり、ボランチで鈴木修人、右SBで宇佐美宏和が先発復帰した。GKは鈴木智幸、DFラインは右から宇佐美、渡部博文、大久保裕樹、那須川将大。ダブルボランチは鈴木とパウリーニョが組み、2列目は右に水沼宏太、左に高木和正が入った。2トップはリカルド・ロボと崔根植が組んだ。
立ち上がりから、両軍とも前線から積極的に行くが、栃木のほうが出足が早く、奪ってからはカウンターとやることがはっきりしていたため、やや押し込む。水沼と高木のサイドMFと2トップをうまく絡めて縦に速い攻撃を仕掛けた。ゴール前ではワンツーを多用し、湘南DF陣を苦しめた。
そして前半12分、栃木が敵地で貴重な先制点を奪った。PA右でリカルド・ロボのパスを受けた水沼宏太が右足で低めのシュート。そのこぼれ球をエースが押し込み、1-0リードに成功した。ロボの今季3得点目は、先制点になるとともに、チームのリーグ戦通算100得点と節目の一発となった。
湘南はアジエルの個人技と高山のスピードを生かして攻めようとするが、栃木がしっかりとブロックを作って守ったため、バイタルエリアを崩せない。前半23分、右サイドの深い位置で鎌田が粘って右足グラウンダークロス。これにニアで高山が飛び込んだが、先にGK鈴木にセーブされた。
栃木は変わらず積極的なプレスと鋭いカウンターを繰り出す。そのほか前半30分には、遠目のFKからパウリーニョが直接シュート。これは右に外れたが、強烈な一発で観衆を沸かせた。前半38分、湘南がチャンスを作る。アジエルがドリブル突破を試み、一度はゴール正面で止められるが、坂本がこぼれ球から得意の左足を一閃。惜しくも相手DFをかすめてCKとなった。
栃木は前半43分、絶好機を迎えた。カウンターからパウリーニョがドリブル突進。そこから右サイドに開いていたロボにパスを出すと、エースが中央へグラウンダーパスを通した。ファーサイドから長い距離を走り込んできた水沼が右足を合わせたが、ジャストミートできなかったうえ、GK西部のファインセーブで弾かれた。前半は栃木の1-0で折り返した。
後半、湘南が流れを変えようと一気に2枚を入れ替えた。巻に代えてFW田原豊を、ハン・グギョンに代えてMF岩尾憲を投入。3ー4ー3気味にシステムを変えたが、これがプラスに作用する。
後半8分、左サイドでパスを受けた田原がドリブル突進。中へ切れ込んで右足を振り抜いた。これはGK鈴木にパンチングされたが、こぼれ球をつないだ湘南が右からクロス。これに田原が競り勝ってヘディングシュートを放った。再びGK鈴木のセーブに合ったが、チームを勢い付けた。
栃木も反撃。後半10分、縦パスにロボが抜け出しPA内へ。GK西部がつり出されたのを見て再び縦に仕掛け右足シュート。しかし、これは角度がなかったうえ、ギリギリのところでカバーに入った湘南選手にクリアされた。湘南にリズムを奪われつつあった栃木は同21分、崔に代えてFW廣瀬浩二を送り出した。
そんな中、栃木が大きな追加点を奪った。後半24分、中盤でうまくボールを奪い取り、最後は鈴木修人がゴール前にハイボールを入れる。これにDF渡部博文がうまくバックヘッドを繰り出し、ゴールネットに転がった。栃木は少しペースダウンしかけた時間帯だったが、CBながら渡部の今季3得点目で2-0リードを掴んだ。
湘南は後半25分、3枚目のカードを切る。坂本に代えてMF菊池大介を送り出した。その後、全体がやや間延びし、一進一退の攻防が続く。栃木は後半37分、高木に代えてMF杉本真を入れた。
霧雨と高湿度の中で行われた試合で、終盤は共にやや運動量が落ちた。それでも、ホームの湘南は最後まであきらめずにゴールを狙うが、栃木は4-4の2ブロックを崩さずに粘り強く守る。ロスタイムは3分。栃木は渡部に代えてDF大和田真史を投入し、逃げ切りに入った。湘南は最後、右CKから田原が頭を合わせたが決めきれず。試合はそのまま2-0で終了。栃木が“下克上”に成功し2位浮上を果たした。
[写真]栃木は後半24分、追加点を決めたDF渡部博文(23番)にMF水沼宏太が抱きつく
(取材・文 近藤安弘)
J2第16節は12日に各地で10試合が行われ、平塚競技場では2位の湘南ベルマーレと4位の栃木SCが激突した。勝ち点差1で迎えた上位決戦は、栃木がエースFWリカルド・ロボのチームリーグ戦通算100得点などで2-0勝利。勝ち点を20に伸ばし2位に浮上した。湘南は最近6試合で3勝3分と好調だったが、4月30日の横浜FC戦以来7試合ぶりの黒星を喫した。
湘南は4-4-2を採用。メンバーは前節と同じでGKは西部洋平、DFラインは右から鎌田翔雅、大井健太郎、遠藤航、石神直哉。ダブルボランチはハン・グギョンと永木亮太が組み、2列目は右にアジエル、左に坂本紘司が入った。2トップは巻佑樹と高山薫が組んだ。
栃木も4-4-2を採用。メンバーは前節と一部が変更となり、ボランチで鈴木修人、右SBで宇佐美宏和が先発復帰した。GKは鈴木智幸、DFラインは右から宇佐美、渡部博文、大久保裕樹、那須川将大。ダブルボランチは鈴木とパウリーニョが組み、2列目は右に水沼宏太、左に高木和正が入った。2トップはリカルド・ロボと崔根植が組んだ。
立ち上がりから、両軍とも前線から積極的に行くが、栃木のほうが出足が早く、奪ってからはカウンターとやることがはっきりしていたため、やや押し込む。水沼と高木のサイドMFと2トップをうまく絡めて縦に速い攻撃を仕掛けた。ゴール前ではワンツーを多用し、湘南DF陣を苦しめた。
そして前半12分、栃木が敵地で貴重な先制点を奪った。PA右でリカルド・ロボのパスを受けた水沼宏太が右足で低めのシュート。そのこぼれ球をエースが押し込み、1-0リードに成功した。ロボの今季3得点目は、先制点になるとともに、チームのリーグ戦通算100得点と節目の一発となった。
湘南はアジエルの個人技と高山のスピードを生かして攻めようとするが、栃木がしっかりとブロックを作って守ったため、バイタルエリアを崩せない。前半23分、右サイドの深い位置で鎌田が粘って右足グラウンダークロス。これにニアで高山が飛び込んだが、先にGK鈴木にセーブされた。
栃木は変わらず積極的なプレスと鋭いカウンターを繰り出す。そのほか前半30分には、遠目のFKからパウリーニョが直接シュート。これは右に外れたが、強烈な一発で観衆を沸かせた。前半38分、湘南がチャンスを作る。アジエルがドリブル突破を試み、一度はゴール正面で止められるが、坂本がこぼれ球から得意の左足を一閃。惜しくも相手DFをかすめてCKとなった。
栃木は前半43分、絶好機を迎えた。カウンターからパウリーニョがドリブル突進。そこから右サイドに開いていたロボにパスを出すと、エースが中央へグラウンダーパスを通した。ファーサイドから長い距離を走り込んできた水沼が右足を合わせたが、ジャストミートできなかったうえ、GK西部のファインセーブで弾かれた。前半は栃木の1-0で折り返した。
後半、湘南が流れを変えようと一気に2枚を入れ替えた。巻に代えてFW田原豊を、ハン・グギョンに代えてMF岩尾憲を投入。3ー4ー3気味にシステムを変えたが、これがプラスに作用する。
後半8分、左サイドでパスを受けた田原がドリブル突進。中へ切れ込んで右足を振り抜いた。これはGK鈴木にパンチングされたが、こぼれ球をつないだ湘南が右からクロス。これに田原が競り勝ってヘディングシュートを放った。再びGK鈴木のセーブに合ったが、チームを勢い付けた。
栃木も反撃。後半10分、縦パスにロボが抜け出しPA内へ。GK西部がつり出されたのを見て再び縦に仕掛け右足シュート。しかし、これは角度がなかったうえ、ギリギリのところでカバーに入った湘南選手にクリアされた。湘南にリズムを奪われつつあった栃木は同21分、崔に代えてFW廣瀬浩二を送り出した。
そんな中、栃木が大きな追加点を奪った。後半24分、中盤でうまくボールを奪い取り、最後は鈴木修人がゴール前にハイボールを入れる。これにDF渡部博文がうまくバックヘッドを繰り出し、ゴールネットに転がった。栃木は少しペースダウンしかけた時間帯だったが、CBながら渡部の今季3得点目で2-0リードを掴んだ。
湘南は後半25分、3枚目のカードを切る。坂本に代えてMF菊池大介を送り出した。その後、全体がやや間延びし、一進一退の攻防が続く。栃木は後半37分、高木に代えてMF杉本真を入れた。
霧雨と高湿度の中で行われた試合で、終盤は共にやや運動量が落ちた。それでも、ホームの湘南は最後まであきらめずにゴールを狙うが、栃木は4-4の2ブロックを崩さずに粘り強く守る。ロスタイムは3分。栃木は渡部に代えてDF大和田真史を投入し、逃げ切りに入った。湘南は最後、右CKから田原が頭を合わせたが決めきれず。試合はそのまま2-0で終了。栃木が“下克上”に成功し2位浮上を果たした。
[写真]栃木は後半24分、追加点を決めたDF渡部博文(23番)にMF水沼宏太が抱きつく
(取材・文 近藤安弘)
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