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湘南は7試合ぶり黒星。反町監督「今日は給水タイム」「田原がドンと決めてれば」

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[6.12 J2第16節 湘南0-2栃木 平塚]

 湘南ベルマーレは相手の術中にはまり、ホームで0-2の完敗を喫した。最近6試合で3勝3分とまずまずの調子を維持していたが、4月30日の横浜FC戦以来7試合ぶりの黒星を喫した。順位も栃木に2位をゆする形で、4位に後退した。

 前半12分という早い時間に、こぼれ球を押し込まれて失点を喫した。そしてペースをつかみかけていた後半24分には、ハイボールをバックヘッドで決められた。運がなかった。反町康治監督は「ちょっと2つとも事故みたいなところもあった。ただ、そういうのをモノにできるところとモノにできないところの差は正直、今日のゲームに関してはあったかなと思う」と分析した。


「サッカー監督にありがちなコメントをしなければいけない。決められるときに決められなかったという、敗戦時の監督が言うコメントをそのまま使わせていただきたいと思います。このところずっと負けがなく、少し浮ついたところがあったのかなというのは否めないですね」

 言葉通り、決定力の差が出たといえる。劣勢だった前半はシュート数2本と5本だったが、後半7本と11本。決定機は互角だった。後半開始からFW巻佑樹に代えてFW田原豊を、MFハン・グギョンに代えてMF岩尾憲を投入。3ー4ー3気味にシステムを変えたが、これが効いたのか、決定機を作る。象徴的なのは後半8分だった。左サイドでパスを受けた田原がドリブル突進。中へ切れ込んで右足を振り抜いた。しかし、GKにセーブされた。そのこぼれ球の流れからクロスが上がり、今度は田原がヘディングシュートを放ったが、これはGKの正面を突いた。そのほかにもリズムのいい時間はあった。

 反町監督は「何のために送り出したかというのを感じなければいけないでしょうね。同じシーンが2つぐらいあった。ゴール前3mでGKにパスしているようではゲームに勝つことはできない。もし田原がドンと決めていれば完全にこちらに行くゲームだった。」と調子が上がらない昨年までのエースに苦言を呈した。指揮官としては3-4-3に変えてチャンスを作ったという思いがある。できる手は尽くしたという自負があるだけに、ついつい愚痴も出てしまった。

「全体的には結果的には悪くない。マラソンでは上位グループを走っていて、ちょっと飛び出したが今日は給水タイム」と開幕から10試合で5勝3分2敗の勝ち点18で4位と付けていることに、まずまずの満足感を示した反町監督。そして「まだ団子状態。ラストスパートするときに前が見えるところにいればいいわけで、先を急がずに自分たちのやるべきこと、底上げをしっかり見据えてやっていくことが必要」。7試合ぶりの敗戦は、今後の飛躍のためのもの-。会見の最後のほうには、指揮官の表情から余裕が垣間見えた。

(取材・文 近藤安弘)

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