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ハーフナーの3戦連発弾で甲府が競り勝つ、鹿島は101日ぶりのカシマスタジアムで勝利飾れず

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[6.15 J1第15節 鹿島0-1甲府 カシマ]

 J1第15節は15日、各地で9試合を行い、鹿島アントラーズはホームでヴァンフォーレ甲府と対戦。カシマスタジアムでJ1の試合が開催されたのは3月11日の東日本震災後初めて。3月6日の大宮との開幕戦(3-3)以来、101日ぶりとなる“ホームゲーム”で連勝を狙った鹿島だったが、後半ロスタイムにFWハーフナー・マイクが3戦連発となる劇的な決勝点を決め、甲府が1-0で競り勝った。

 鹿島は4試合ぶり今季2勝目を挙げた前節の山形戦(2-0)から先発2人を変更した。DFアレックスに代わってDF新井場徹が左SBで4試合ぶりに先発。U-22日本代表に招集されたFW大迫勇也に代わりFW田代有三が今季リーグ戦初先発となった。
 甲府は前節の川崎F戦(2-2)で負傷交代したGK荒谷弘樹に代わりGK荻晃太が2試合ぶりに先発復帰。U-22日本代表DF吉田豊の抜けた左SBにはDF内山俊彦が入り、6試合ぶりに先発した。
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 震災後初のホームゲームで何としても勝利したい鹿島は立ち上がりから中盤を支配し、試合を優勢に進めた。前半6分、得意のセットプレーからチャンスをつくり、MF野沢拓也の右FKにFW興梠慎三が頭で合わせるもゴール左へ。同10分には中盤の底からMF小笠原満男が前線へピンポイントのスルーパス。興梠が絶妙なトラップからPA内に進入したが、シュートはGKの好守に阻まれた。

 なかなか攻撃を組み立てられない甲府は前半22分、DF市川大祐のアーリークロスからFWハーフナー・マイクが右足ボレーで狙うが、ミートし切れない。ようやくフィニッシュまでつなげたが、その後も鹿島ペースが続き、前半26分にはDF西大伍の右クロスをMF遠藤康がスルー。ゴール前のFW田代有三にボールが渡ったが、シュートはミートできず。同27分、西の強烈な右足ミドルもゴール上に外れた。

 前半の終盤に入ると、甲府も徐々に盛り返し、鹿島陣内に攻め込む時間が増えたが、鹿島の最終ラインも落ち着いて弾き返し、チャンスをつくらせない。その後は互いに決定的な場面を迎えることなく、こう着状態のまま前半を0-0で折り返した。

 後半最初にチャンスをつくったのも鹿島。後半4分、左サイドからカットインした遠藤のスルーパスがDFに当たってゴール前に流れると、興梠が左足でシュートを狙ったが、ゴール上へ。甲府も後半11分、DF岩政大樹のクリアミスを拾い、最後はハーフナーのスルーパスからFW阿部吉朗がシュートに持ち込んだが、枠を捉えられなかった。

 鹿島は後半13分、小笠原のサイドチェンジから西が右サイドを駆け上がり、ゴール前にクロス。田代がヘディングで合わせたが、ゴール左に外れる。同15分、小笠原のパスを甲府DF小林久晃がカットし切れず、遠藤が左サイドを独走。しかし、シュートはまたしても枠を外れてしまった。

 相手のシュートミスに救われる甲府は後半17分、MF永里源気に代えてMF片桐淳至を投入する。右サイドに入った片桐は同20分、積極的に左足でミドルシュートを狙うと、同25分にも片桐のパスを受けたハーフナーがシュート。GKの弾いたこぼれ球を今度は市川が狙ったが、ゴール前でDF中田浩二が体を張ってクリアした。さらに同26分、右サイドから片桐が仕掛け、遠藤の股間を抜くドリブル突破からクロス。ファーサイドに飛び込んだMF柏好文がダイビングヘッドで合わせたが、惜しくもゴール左に外れた。

 鹿島も後半25分、田代に代えてMF本山雅志をピッチに送り込む。本山がトップ下に入る4-2-3-1にシステムも変更。本山は中盤で自由に動いてパスをさばき、攻撃にリズムを生もうとするが、甲府の粘り強いディフェンスに跳ね返される。同33分には遠藤に代えてMF柴崎岳を投入。柴崎はそのまま2列目の左サイドに入った。

 互いに決め手を欠き、試合は終盤に入る。甲府は後半39分、阿部に代えて切り札のFWパウリーニョを投入すると、鹿島は同40分、興梠に代わってFWイゴールがピッチに入る。元鹿島FWのアルシンド氏の長男であるイゴールのJリーグデビュー。甲府も同44分に柏に代えてFW松橋優を投入するなど両チームともに最後までゴールを目指すと、後半ロスタイムに劇的な幕切れが待っていた。

 後半47分、甲府はスローインからパウリーニョ、片桐とつなぎ、ゴール前のハーフナーが左足を振り抜く。これがゴールネットを揺らし、1-0。ハーフナーの3戦連発弾で甲府が競り勝ち、4試合ぶりの勝ち点3を手にした。

(取材・文 西山紘平)

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