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首位・柏、2-0勝利で「新しいスタート」

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[6・18 J1第16節 福岡0-2柏 レベスタ]

「この試合で立ち直れたのは大きい。新しいスタートを切れたと思う」。試合後のインタビューでネルシーニョ監督も安どした表情を見せていたが、前節磐田に0-3で敗れて6試合ぶりの敗戦を喫した首位・柏レイソルが、わずか1試合で悪い流れを断ち切った。

 対戦相手の福岡は今季1分9敗で最下位に沈んでいたが、決して簡単な相手ではなかった。指揮官も「(福岡は)気迫とか一生懸命さが強くて、試合中切れることなく出ていた。難しい試合だった」と振り返る。立ち上がりは中盤の攻防戦で苦戦するなどなかなか主導権を握ることができず、相手のカウンター攻撃からシュートまで持ち込まれた。

 それでも39分、中盤で前を向いたMFレアンドロ・ドミンゲスがMF茨田陽生へボールを預けてトップスピードで前線へ駆け上がる。この動きにつられたか、福岡守備陣の意識が中央へ傾いたところで茨田は「外」を選択。正確なフィードを、左サイドからPAへ入り込んだFW田中順也が左足ダイレクトでゴールへと叩き込み、先制点を決めた。

 いいところなく敗れた磐田戦での黒星に落ち込んでいる暇はなかった。「今までやってきたことをもう一度やり直そう」と切り替えて試合に臨んだ柏は、試合中にシステムを4-4-2から4-2-3-1へ変更。好守からのカウンターで先制すると、後半も粘り強い守りから相手の背後を狙う。FW北嶋秀朗がビッグチャンスを迎えたほか、交代出場のFW工藤壮人、FW大津祐樹、そしてMF兵働昭弘がシュートにまで持ち込む。相手に脅威を与え続けた柏は試合終了間際、SB村上佑介の右クロスをニアサイドの兵働が左足ダイレクトで合わせてダメ押し(移籍後初ゴール)。2-0で再び一歩を踏み出した。

 リーグ最少の7失点の堅守も復活。ただし、納得はしていない。「茨田からいいボールが来て、落ち着いて決められてよかった」と先制点を振り返った田中も「もっと自分たちのペースで試合を運ばないといけない」と反省を忘れなかった。現状に満足することなく、「首位・柏」はこれからも一戦一戦、自分たちのサッカーで勝利を目指していく。

(文 吉田太郎)

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