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浦和、後半ロスタイム8分のPKで勝ち点1手にする

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[6.25 J1第18節 名古屋1-1浦和 豊田]

 浦和レッズは後半ロスタイム8分、相手のハンドで獲得したPKをFWマゾーラが決めて同点に追いつき、1-1で引き分けた。MFマルシオ・リシャルデスの負傷退場などアクシデントもあったが、試合当日にクウェートから帰国したばかりのU-22代表FW原口元気も出場を果たし、勝ち点1を手に入れた。

 アルガラファへの移籍で退団が決まったFWエジミウソンが欠場したものの、MF山田直輝が2戦連続で先発し、MF原一樹が8戦ぶりの先発出場。フレッシュなメンバーで10試合ぶりの勝利を手にした前節・福岡戦(3-0)に続く連勝を狙った。

 アクシデントで試合は始まった。前半26分、MF山田暢久の右クロスに頭で合わせたマルシオとDF千代反田充が交錯。頭から流血したマルシオは負傷交代を強いられる。代わりにピッチへ送られたのが23日にロンドン五輪アジア二次予選のアウェーでのクウェート戦を終えたばかりの原口だった。クウェート戦での出場はなかったものの、中東への長距離移動や気候の違いは体へ大きな負荷となったはず。それでも疲れをみせることなく果敢に仕掛けた。しかし前半ロスタイム1分に中央から崩されると、最後はMF磯村亮太にシュートを許し、先制点を奪われた。

 1点を追う展開に攻めるしかない浦和は幾度もPA内へ仕掛けていった。後半18分、途中出場のマゾーラの左クロスにゴール正面の原が強烈なシュートを打ったがGK楢崎正剛に止められた。その後は同26分、30分と原口が持ち前のドリブル突破から攻め込むがシュートの精度を欠き、1点が奪えない。

 劇的な同点弾へのきっかけが生まれたのは後半終了間際のロスタイム4分だった。このワンプレーで試合も終了と思われた瞬間、浦和のロングボールをDF田中マルクス闘莉王が競り合い、流れたボールがPA内にいた千代反田の手に当たったとしてハンドの判定。PKを獲得した。この判定を巡って、両チームの選手が入り乱れて試合は一時中断。PKは後半ロスタイム8分に行われた。キッカーを務めるのはマゾーラ。冷静にGKのタイミングを外してゴール正面に決めてみせた。土壇場でつかんだPKをものにして、勝ち点1をつかんだ。

 試合後のテレビインタビューでペトロヴィッチ監督は「今日の1-1という結果には満足いっていない。勝ちたかった」と引き分けという結果にも唇を噛んだ。それでも今季初の連勝は逃したものの、昨季王者の名古屋に今季は1勝1分と負けていない。この引き分けを前向きに捉え、次節のG大阪戦では2戦ぶりの勝利をめざしたい。

(文 片岡涼)

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