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[総体]川島母校・浦和東が埼玉制覇!

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[6.26 高校総体埼玉県予選決勝 武南1-2浦和東 埼玉第3]

 平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)の埼玉県予選決勝が26日、埼玉スタジアム2002第3グラウンドで行われ、武南と浦和東が対戦。2-1で勝った浦和東が2年ぶりの優勝を果たした。なお、全国総体出場枠2の埼玉県からは決勝進出した両校が全国大会へ出場する。

「逞しくなった。武南さんは今年力を持っている。本当に良くやってくれた。選手たちを誉めてあげたい」。野崎正治監督が決勝終了後に目を細めながら選手たちについて語っていたが、決勝へ進出した武南をはじめ、昨年の全国総体4強・西武台や埼玉栄など私立校優勢の激戦区・埼玉を県立校の浦和東が再び制した。

 準々決勝では埼玉栄に2点リードされながらも逆転勝ち。そして準決勝の浦和南戦でも先制されながら延長戦の末勝利し、全国切符を獲得した。この日は準決勝でひざを負傷したという守護神GK平野雅也と同じく負傷の10番・菊池将太が先発を外れたが、それでも選手たちは逞しい戦いぶりで埼玉の頂点に立った。

 武南の大山照人監督が「立ち上がりから積極的なディフェンスができなかった。相手に速いテンポでサッカーをさせてしまった」と残念がったように、やや引いた形の守りだった武南を浦和東はスピードのある両サイドを活かした攻撃で切り崩す。カウンター中心の武南を押し込み、SB木村凌の正確なキックも交えて攻勢な時間を続けた。そして前半30分、左サイドから右足シュートを狙ったMF中村ジュリオユキオがこぼれ球に素早く反応して左足ミドル。左足を巻き込むように放った豪快な一撃がゴール右隅へと突き刺さり、浦和東が先制に成功した。

 前半は互いにシュート2本ずつ。シュートまで持ち込むことができていなかったが、後半は一転、両チーム計シュート17本の激しい打ち合いとなった。浦和東は4分に左クロスからFW星子直哉が決定的なヘディングシュート。6分にもCB清田尚希のオーバーラップから星子が決定的な右足シュートを放った。そして15分にはMF有野涼の左FKをMF菅原悠平が頭で合わせて2-0とリードを広げる。また25分にはMF小畠俊貴の右足FKがゴールマウスを叩いた。

 浦和東は右足捻挫の影響で今大会初先発、60分間限定出場だったCB西川寛人主将や小畠を中心とした守備陣もMF谷口貴哉ら技巧派揃う武南相手に奮闘。決定的な仕事をさせない。それでも武南は31分、SB穐本大輝の攻撃参加から左中間にこぼれたボールを谷口が豪快な右足ミドルでゴール左隅へ叩き込み、1点差に迫る。

 この後、チャンスはつくるものの決めきれず、運動量も落ちてきた浦和東を武南は激しく攻め立てる。だが38分に谷口のスルーパスから抜け出したMF福田健太の決定的な左足シュートはGK武井祐貴がビッグセーブ。ロスタイムにはセットプレーからロングボールを放り込んだが、粘る浦和東は完ぺきに跳ね返して逃げ切った。

「内容よりも結果を」「私立だけには負けたくない」という勝利へ対するどん欲さはライバルたち以上。そして今年の武器であるという団結力の高さも浦和東優勝の要因となった。怪我で決勝までピッチに立つことのできなかった西川主将は「みんなが決勝に立たせてくれると信じていた。優勝したことよりもここに立たせてくれたことの方がうれしい」。結果を残したチームの次の目標は全国舞台。日本代表GK川島永嗣の母校が埼玉王者として全国へ乗り込む。

[写真]前半30分、MF中村(左)のゴールを喜ぶ浦和東イレブン
(取材・文 吉田太郎)
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