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[女子W杯]宮間が鮮やかFKで日本に勝利もたらす!!

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[6.27 女子W杯B組 日本2-1ニュージーランド ボーフム]

 目標は世界一と公言する日本女子代表だったがドイツ女子W杯の初戦・ニュージーランド戦は苦戦を強いられた。現地時間15時キックオフの試合は30度を越える暑さとの戦いだったのとともに、試合前からMF澤穂希(INAC神戸)が「粘りっこい」と話していた特殊な芝の影響で思うようにボールをつなげず、厳しい一戦となった。しかし、MF宮間あや(岡山湯郷)の右足FKがチームに勝利をもたらした。

 前半6分にFW永里優季(ポツダム)のゴールで先制するも、同12分に失点。試合は振り出しに戻された。その後はチャンスをつくるも決定的な場面で精度を欠き、ゴールネットを揺らすことはできず。前半に打たれたシュートは、わずか1本ながら1失点。悔やまれる展開で後半へ突入した。

 その後も運動量は上がらず、時間の経過とともに選手たちの足は止まっていった。そんななかで流れを変えたのが後半10分から途中出場したFW岩渕真奈(日テレ・ベレーザ)。前線でボールを受けると、必ず前を向きドリブル突破。コースがあると見れば果敢にミドルシュートも狙った。そして後半23分、ドリブルで仕掛けた岩渕がPA手前で倒されて、絶好の位置でFKを獲得。そして、このチャンスをものにしたのが宮間だった。迷いなく振りぬいた右足から放たれたボールは壁を越え、ゴールネット右へ吸い込まれた。このゴールが決勝点となり、日本は白星発進に成功した。

 ドイツ入り直前の18日に行われた韓国女子代表との国際親善試合では1-1のドロー。宮間のゴールで先制したが追いつかれ、勝つことができなかった。試合後には「W杯でも想定される展開。勝ちきれなかったことが課題」と話していたが、その悔しさをバネにW杯本番でチームを勝利に導いた。奇しくも世界ベスト4となった08年北京五輪のグループリーグ初戦でニュージーランドと対戦したときも、宮間は1-2から2-2に追いつくゴールを決めた。しかし逆転には至らず、ようやく今回のゴールが世界の大舞台で勝利に直結する一撃となった。

 決勝点となった華麗な直接FKを決める活躍で宮間はFIFAが選定する今試合のマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。試合後のテレビインタビューでは「今回は優勝を目指してきているので出だしは悪かったというところはあるが、みんなで勝った試合なので大事にして、次にいきたい」と意気込んだ。宮間が世界の頂点を目指すなでしこジャパンには、強力な飛び道具となるFKがあることを初戦で世界に見せつけた。

[写真]値千金のゴールを決めた宮間

(文 片岡涼)
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