beacon

京都10代3トップ躍動も、熊本MFファビオがオーバーヘッドV弾

このエントリーをはてなブックマークに追加
[6・29 J2第2節 京都0-1熊本 西京極]

 最近3試合を2勝1分と立て直してきた16位の京都サンガF.C.はこの日、17歳の久保裕也を中央に右が18歳の伊藤優汰、左が19歳の駒井善成という10代3トップで6位・ロアッソ熊本に挑んだ。ボールを支配して主導権を握ろうとする京都に対し、選手同士が距離感を保ちながらアタック&カバーを徹底する熊本の守備網には全く穴ができない。立ち上がりの25分間は互いの好守もあり、パスが3本つながらないという時間が続いた。

 その流れを変えたのが京都の10代3トップだった。前半25分、右サイドでボールを持った久保がゴール前に絶妙なクロス。DF間に飛び込んだ駒井のヘディングシュートがクロスバーを叩く。この後は伊藤、駒井の積極的な仕掛けから久保が決定的なシュートを連発。右足ミドルがゴールを捉えたほか、立て続けにスルーパスで抜け出し、ゴール至近距離からシュートを放った。

 京都はテンポのいいパスワークからチャンスを生み出したこの時間帯に先制したかった。チーム得点王のFW長沢駿になかなか思うようなボールの入らない熊本は後半開始からMFファビオを投入。絶妙なポジショニングでボールを受けるブラジル人MFにより攻撃を活性化した熊本は高木琢也監督の「消極的になるな」のメッセージもあり、アグレッシブな攻守から流れを自らへと傾ける。

 そして後半14分、MF西森正明の左CKがゴール前の競り合いで跳ね上がる。直後、落下点にいち早くポジションを取ったファビオが鮮やかな右足オーバーヘッドシュート。これがゴールライン上のDFを弾いてそのままゴールへ吸い込まれた。鮮烈な一撃。ヒーローとなったファビオは試合後のインタビューで「ボールが高く上がってゴールに背を向けた状態。あれ(オーバーヘッド)が唯一の手段で幸いにもゴールになった。私のゴールで勝利をつかめることができてよかった」。

 熊本は24分、京都MF内藤洋平の決定的な右足シュートをDF福王忠世がゴールライン上でスーパークリア。直後からFWドゥトラを投入して同点を目指してきた京都に対し、熊本は37分に長沢がこの日2枚目の警告を受けて退場してしまう。数的不利となったがその後の反撃はGK南雄太が好守でシャットアウトした。華麗な一撃による1点を死守した熊本は1-0で勝利。5位へ浮上した。

(文 吉田太郎)

TOP