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宇佐美に原口、若きアタッカーの“ゴール競演”で浦和vsG大阪はドロー

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[7.2 J1第2節 浦和1-1G大阪 埼玉]

 J1は2日、東日本大震災の影響で延期になっていた第2節の1日目を行った。埼玉スタジアム2002では浦和レッズガンバ大阪が対戦。後半11分、ドイツの名門バイエルンへの移籍が発表されたばかりのMF宇佐美貴史のゴールでG大阪が先制したが、浦和は5試合ぶりに先発復帰したU-22日本代表のMF原口元気が同32分に同点ヘッドを決め、1-1の引き分けに終わった。G大阪は連勝が3で止まった。

 浦和は4-4-2システムを採用。GKは加藤順大、DFラインは右から高橋峻希、スピラノビッチ、永田充、平川忠亮。ダブルボランチは鈴木啓太と山田暢久が組み、2列目は右にマルシオ・リシャルデス、左に原口が入った。2トップは原一樹と田中達也が組んだ。

 対するG大阪も4-4-2を採用。GKは藤ヶ谷陽介、DFラインは右から加地亮、中澤聡太、山口智、下平匠。ダブルボランチは遠藤保仁と武井択也が組み、2列目は右に二川孝広、左に宇佐美貴史が入った。2トップは平井将生とイ・グノが組んだ。

 開始3分、G大阪がチャンスを作った。PA内右でイ・グノが二川のパスを受けて右足シュート。しかし、ジャストミートできずGK加藤に防がれた。その1分後、右サイドからイ・グノがクロス。中央で平井がヘディングシュートを放ったが、これは上に外れた。

 浦和はエースだったFWエジミウソンが中東移籍するために戦列を離れてから2戦目。それでも立ち上がりは不在を感じさせなかった。前半8分、マルシオ・リシャルデスが強烈な右足ミドル。これは枠を外したが、リズムを掴む。同11分には右サイドから高橋が仕掛けて低めのクロス。原がボレーシュートを放った。右に外したが、惜しいシーンを作った。

 その後は、ともにボールを回しながらゴールを伺うが、浦和、G大阪ともに最終ラインの守備が堅く、どちらも決定機を作れない。浦和は前半25分、原口が左サイドから中に切れ込み強烈なミドルシュート。GK藤ヶ谷はキャッチできなかったが、何とかCKに逃れた。

 前半37分、浦和が好機を迎える。パスをうまくつないで右サイドを仕掛け、最後はPA内右にいた田中に鈴木が横パス。田中はターンして前を向き右足を振り抜いたが、惜しくも左に外れた。その2分後には、原が相手のパスミスを拾ってドリブル突進。シュートまで行ったが、決めきれなかった。前半終盤はともに“ゆったり”とした展開になり、0-0で折り返した。

 後半、ともにメンバー変更なくスタートした。ハーフタイム、「ビルドアップが遅い」と西野朗監督に一喝されたG大阪は、縦への速さが増した。開始5分、右サイドの加地がドリブルで中央に持ち込み、最後は左足でシュート。浦和DFにクリアされたが、リズムを作る。浦和はその1分後、PA右から原が中へグラウンダーパス。ニアでマルシオがヒールシュートを試みたが、クリアされた。

 そんな中、G大阪が先制に成功した。後半11分、PA内右でイ・グノがシュート。これはGK加藤が防いだが、こぼれ球を宇佐美貴史が拾い、落ち着いて右足を一閃。自身5試合ぶりの今季3得点目で1-0リードをもたらした。

 何とかホームで白星が欲しい浦和は後半21分、山田暢に代わってMF山田直輝を投入。そのままボランチに入れた。対するG大阪はその2分後、平井に代えてMF佐々木勇人を投入。佐々木が右MFに入り、二川が左MFへ。宇佐美はFWにポジションを変えた。

 浦和は後半25分、原口が左からミドルシュート。同30分には山田が同じく左サイドからミドルシュートを放った。いずれも決めきれなかったが、ゴールへの執念を見せた。浦和は同31分、一気に2枚の交代カードを切った。鈴木に代えてMF柏木陽介を、原に代えてFWマゾーラを送り出した。

 この交代から1分後、浦和が同点に追いついた。田中がドリブルでボールを運んで右サイドに振り、高橋が得意の右足でクロス。これに左サイドから中へ走り込んだ原口元気がヘディングを叩き込んだ。チーム得点王が今季5得点目を決め、1-1と試合を振り出しに戻した。

 これで浦和が勢いづく。後半34分、ゴール正面で原口のパスを受けたマゾーラが右足を一閃。決定機だったが、グラウンダーのシュートはわずかに左に外れた。G大阪は同34分、二川に代えてDF高木和道を投入。高木は左SBに入り、下平が左MFに上がった。それでもこの時間帯、浦和が主導権を握る。

 後半37分、浦和は左サイドを平川が持ち込み、中央の原口へ横パス。さらに右へ出し、最後は高橋がフリーで右足を振り抜いた。逆転のチャンスだったが、シュートはわずかに外れ、サイドネットに突き刺してしまった。

 G大阪は後半39分、佐々木に代えてMFキム・スンヨンを投入。勝ち越しを狙いにいった。ロスタイムは5分。ホームの浦和が必死の攻勢を見せる。46分、マルシオがミドルシュートを放ったが、上に外れた。同48分には柏木が絶妙なクロスを入れたが、マゾーラが左ボレーを空振りしてしまった。試合はそのまま終了。若きアタッカーの“ゴール競演”で1-1の痛み分けとなった。

(取材・文 近藤安弘)

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