beacon

ヘディング弾の原口、「中学生ぶりくらい。決めたことにビックリ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.2 J1第2節 浦和1-1G大阪 埼玉]

 決めた自分も驚きのゴールだった。浦和レッズのMF原口元気がG大阪戦の後半32分にヘディングシュートを決めて1-1の同点に導いたが、中学生以来という“記念弾”だった。

「ヘディングは、中学生ぶりくらい。決めたことにビックリです。決められて嬉しいですね。相手も自分にヘディングのイメージはなかったと思う。スルスルっと入って行けました」

 後半32分、右サイドからDF高橋峻希がクロスを入れた。綺麗な弧を描いたボールを、ファーサイドでとらえたのは原口だった。左サイドからDFの間をくぐり抜けて中に入りヘディングシュート。豪快にゴールネットに突き刺した。G大阪のDF中澤聡太も「見えていなかった」という絶妙の飛び出しで、3連勝と好調だった5位の難敵に豪快な一発を食らわせた。

 U-22日本代表でチームを離れていたため、5試合ぶりに先発復帰。「きょうは気持ちが入っていた」という。前節6月25日の名古屋戦(豊田ス)は、アウェーで行われたU-22のクウェート戦から帰国後すぐにベンチ入り。前半26分から途中出場し、1-1ドローに貢献したが、今度は自らのゴールでチームに勝ち点1をもたらした。これで今季通算5得点とチームトップを快走。FWエジミウソンがアルガラファ(カタール)に移籍する苦しい台所事情だけに、原口の頑張りは頼もしい。

 ペトロヴィッチ監督も「タレント性のある選手。未来は明るいね。2、3年後はヨーロッパでプレーしているだろう。スピードに乗ったプレーは素晴らしい。(G大阪の)宇佐美も高い技術を見せたが、私は元気のほうが上だと思っている」と高く評価した。

 ただもちろん、本人は満足していない。終盤はG大阪の足が止まったため、浦和が押せ押せだった。シュート数も最終的にG大阪より7本多い20本を放った。指揮官も「追いついた後はバルセロナのプレーというくらい素晴らしいプレーをした。しかし、自分たちは浦和レッズだった」と振り返ったほど押し込んだが、ゴールが決まらなかった。

 後半31分から途中出場したマゾーラは、同34分に原口のラストパスからの決定機を外し、ロスタイムにはMF柏木陽介のクロスを空振り。また高橋も後半37分に原口の横パスからの右足シュートをサイドネットの外側に突き刺してしまった。原口も好パスは出したが、2点目は決められなかった。

「あれだけ支配できたので、勝たないといけない試合だった。マゾーラが決めてれば……。自分もチームも2点目が課題。もっと貪欲に2点目を取りに行かないといけない。(自分自身は)1試合2得点を取ったことがないので、取れるようになりたい」

 原口はさらなる高みを見据えた。強豪・G大阪を相手にやれたことは自信になったが、順位は一つ下がって15位となった。エースが退団し、新助っ人のFWランコ・デスポトビッチがチームにフィットするまでは苦しい戦いが予想される。それでも、若きアタッカーはゴールにアシストにと奮闘し、チームを必ず浮上させるつもりだ。

[写真]同点ゴールを決めた原口

(取材・文 近藤安弘)

TOP