beacon

G大阪の一員としてラスト2試合の宇佐美、「次の試合も取れるようにやる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.2 J1第2節 浦和1-1G大阪 埼玉]

 天才のゴール嗅覚が発揮された。ガンバ大阪は後半11分、右サイドから攻め込み、最後はMF二川孝広のパスに飛び出したFWイ・グノがシュート。一度はGKに弾かれたが、左MFだった宇佐美貴史が右サイドまで進出して押し込み、先制点を奪った。

「予測してたというよりは、なんとなくです。なかなかボールに絡めなかったし、向こうのペースだったので、右に行ってボールを受けたいなと思った。イ・グノが抜け出したので、入るかなと思ってゴールに近づいたら、足元に転がってきた」

 宇佐美が5試合ぶりの今季3得点目を決め、G大阪に先制点をもたらした。6月27日にドイツの名門バイエルンに移籍することが正式発表されてから最初の試合。それだけに、気合が入っていた。今季はここまで2得点とゴールが少なかったが、G大阪でのラストマッチとなる13日の神戸戦までに、1点でも多く奪っておきたい気持ちがあった。

 試合中にも、アドレナリンが上がる出来事があった。「特に最初は意識してなかったけど、やるにつれて、かなり自由にというか、守備も免除されながら、フリーの状態でやってた。それを結構見ながら、楽しそうにやってるなと思った」。自身の逆のサイドには1つ上の浦和MF原口元気がいた。宇佐美は落選したが、ロンドン五輪を目指すU-22日本代表の一員で、同じ左サイドが主戦場のライバルと言える存在だ。

 原口はこの試合、攻撃に関しては比較的自由が与えられ、持ち味のドリブルや積極的なシュートを随所に発揮するなどイキイキとしたプレーを見せていた。これで宇佐美の闘志に、さらに火がついた。前半、相手の激しいマークに苦しみ、決定的な場面を作れなかったが、後半はポジションチェンジを増やして、ゴールに向かおうと考えた。これが「なんとなく」という右サイドへの進出につながり、ゴールにつながった。

「まだまだです。次の試合も取れるようにやっていきたい。あれだけ攻めこまれながらも負けなかったのは大きい。まあ、きょうの引き分けを次につなげないといけない。勝てるようにやるだけです」

 宇佐美は気持ちを切り替え、前を向いた。G大阪の一員として戦う試合は、10日の大宮戦と13日の神戸戦の残り2試合となった。過去を振り返る暇はない。宇佐美の目標は1ゴールでも、1アシストでも多く記録すること。チームをさらなる上位に導いてからドイツへ旅立つ覚悟だ。

[写真]G大阪FW宇佐美

(取材・文 近藤安弘)

TOP