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G大阪は急造5バックも実らず、リーグ戦未だ“0封”なし……

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[7.2 J1第2節 浦和1-1G大阪 埼玉]

 最近3試合で11得点と攻撃陣が好調だったガンバ大阪だが、この日は後半11分に先制点となったFW宇佐美貴史の1点のみ。このあとは運動力がガクッと落ち、押し込まれる時間が続いた。連勝も3でストップ。西野朗監督は「ここ数試合の中で全体的に1番、体もボールの動きも重くてテンポが良くなかった。浦和の圧力を受けての戦いになって、なかなか我々のスタイルが出せなかった」と嘆いた。

 後半の途中から一気に運動量が落ちた。DF中澤聡太は「今日は運動量が少なかった。最初から動けてなかった。コンディションが悪かった。逃げ切れなかった? CB的には悔やまれる試合」という。ACLを戦った蓄積疲労が、ここに来てずしりと重くのしかかっている。とはいえ、先制したのは事実。1点を守り切るための、相手をいなすサッカーができなかった部分がある。

 「もう少し時間を作る形が必要だった。横に回して時間を使うのも必要だと思う。苦しい時間帯は縦にボールを入れるのでなく、横に入れてかわさないといけない」とはDF加地亮。G大阪ほどボールをつなぐ力があるチームなら、浦和の前への勢いを封じるためにも、あえて前に攻めず、後ろでつなぎながらかわす戦略を採用しても良かった。

 しかし、そのあたりのコミュニケーションが取れていなかった。中澤は「何点取っても、もう1点取りに行くのがうちの鉄則。1-0で終わるのではなく、2-0とか3-0、4-2でもいい」とあくまでも攻撃サッカーを貫く姿勢を明かした。ただ加地がそうだったように、時間帯によっては、無理をして攻めない戦術を取る必要があると考えている選手もいる。さらに上位に食い込むには、攻撃サッカーに加え、そのあたりの意思統一が必要のようだ。

 この日は戦術面でもうまくいかなかった。同点にされたあとの後半34分から、DF高木和道を投入。5-4-1のような布陣を敷いたが、MF遠藤保仁は「機能しなかった。練習でやってた? ほとんどやってないですね。途中でサイドを1人上げて、4-4-2に戻しました」と戸惑ったことを明かした。指揮官も「5-4-1にしたが、イ・グノのポジションが少しはっきりしなかったところがあった。意図としては5-4-1で、5のワイドがチャンス時に出ていくという指示だったが、中でうまくいかなかった」と失敗だったことを認めた。

 G大阪は5月11日のACL・天津泰達戦では2-0勝利しているが、リーグ戦は全12試合でいまだ無失点の試合がない。ACLを入れると、19試合中18試合で“0封”がない状態だ。追加点が奪えないときは、逃げ切りを狙う“省エネサッカー”も必要になるだろう。西野監督は「ボールは1番スタミナを持っているし、我々のスタイルのなかでボールを有効に使って、こういう時期の戦い方を考えていかないといけない」と、もっと試合巧者になることの重要性を説いていた。

(取材・文 近藤安弘)

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