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大黒&千真弾で逆転!!横浜FMが3連勝で首位・柏に勝ち点1差

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[7.3 J1第2節 横浜FM2-1川崎F 日産ス]

 J1第2節は3日、各地で3試合を行い、日産スタジアムでは2位横浜F・マリノスと3位川崎フロンターレが対戦した。上位対決となった「神奈川ダービー」は川崎Fが前半22分にオウンゴールで先制したが、横浜FMは同37分にFW大黒将志のゴールで追い付くと、後半26分に途中出場のFW渡邉千真が決勝点。2-1の逆転勝利で今季初の3連勝を飾ると、首位・柏に勝ち点1差まで迫った。

 2連勝中の横浜FMは前節・山形戦(2-0)と同じ先発メンバー。負傷離脱中のMF中村俊輔に代わってMF長谷川アーリアジャスールが3試合連続で先発し、FW大黒将志とFW小野裕二が2トップを組んだ。
 8試合負けなし(5勝3分)の川崎Fは、前節の鹿島戦(2-2)を出場停止で欠場したDF井川祐輔が先発復帰。それ以外は同じメンバーで、途中出場で2戦連発中のFW小林悠はこの日もベンチからのスタートとなった。
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 立ち上がりは横浜FMが押し込んだ。大黒が鋭い動き出しで最終ラインの背後を取り、チャンスメイク。前半3分、ロングフィードにオフサイドラインぎりぎりから抜け出した大黒のループシュートは惜しくもクロスバーに跳ね返る。同12分にはPA内左で粘ったMF兵藤慎剛のクロスに小野が飛び込んだが、わずかに届かなかった。

 横浜FMの2トップの動きに翻弄され、自陣内にくぎ付けになる川崎F。ほとんど攻撃の形をつくれず、防戦一方の展開となった。横浜FMは前半17分にも右サイドから仕掛けた小野のマイナスの折り返しを兵藤が右足でシュート。しかし、これもミートし切れず、ゴール左に外れるなど再三のチャンスを生かせなかった。

 すると、川崎Fがワンチャンスを生かして先制に成功する。前半22分、MF中村憲剛の左CKのこぼれ球をMF柴崎晃誠が右足でシュート。左ポストに跳ね返ったボールはGK飯倉大樹の背中に当たってゴールマウスへ。川崎Fがファーストシュートを得点につなげ、リードを奪った。

 このゴールで流れは一変。立ち上がりが嘘のように川崎Fが攻め立てた。先制から1分後の前半23分、高い位置でボールを奪うと、MF山瀬功治が一気にドリブルで駆け上がり、左足でシュートを放つが、GKが好セーブ。同28分にもインターセプトしたDF田中裕介のオーバーラップから最後はFWジュニーニョが狙うも枠を捉えられなかった。

 前半37分、田中裕のくさびのパスを受けたジュニーニョのポストプレーから中村が前線に飛び出し、ジュニーニョが絶妙なスルーパス。中村はGKと1対1の絶好機を迎えたが、シュートはGKに当ててしまう。追加点のチャンスは何度もあったが、決め切れず、その直後に同点に追い付かれた。

 横浜FMは前半37分、ハーフウェーラインからDF栗原勇蔵が前線にロングフィード。DF菊地光将の背後を取った大黒は胸トラップから冷静に右足を振り抜き、ニアサイドを破った。大黒の7試合ぶりとなるゴールで試合を振り出しに戻した。

 その後も両チームともに攻撃的な姿勢を貫き、試合は激しさを増す。川崎Fは前半42分、中村のスルーパスにFW矢島卓郎が抜け出したが、シュートはまたもGKの好守に阻まれ、2点目を奪えなかった。

 1-1で前半を折り返すと、互いに後半開始から動いた。横浜FMは長谷川に代えてFW渡邉千真を投入。小野がトップ下に下がり、大黒と渡邉が2トップを組んだ。川崎Fも井川に代えてDF實藤友紀を投入。實藤はそのままCBに入った。

 徐々に流れを引き寄せたのは横浜FMだった。後半6分、大黒が右サイドに開いた小野に落とすと、小野の鋭いクロスを渡邉がヘディングシュート。しかし、下に叩き付けたボールはワンバウンドしてクロスバーに跳ね返る。同8分に小野、同13分にはMF谷口博之がミドルシュートでゴールを襲ったが、いずれも枠を捉え切れなかった。

 川崎Fも反撃を見せ、後半16分には中村の絶妙なラストパスからジュニーニョが狙うもGKがキャッチ。同17分、柴崎の右クロスを逆サイドの矢島が頭で折り返し、ジュニーニョがゴール前に飛び込んだが、シュートは浮かしてしまった。

 互いにチャンスをつくりながら2点目を奪えず、1-1のまま時間は経過。すると、横浜FMは後半24分、大黒に代えて193cmの長身DFキム・クナンを前線に投入し、その2分後だった。高い位置でボールをカットしたDF中澤佑二からパスを受けた渡邉が前を向いてドリブルを仕掛ける。PA外から迷わず右足を振り抜くと、これが豪快にゴール左上隅に突き刺さった。ユニフォームを脱いで喜びを爆発させる渡邉の2戦連発弾で、横浜FMがついに勝ち越した。

 逆転を許した川崎Fは後半30分、MF稲本潤一に代えてMF楠神順平をピッチに送り込む。直後の31分、中村の左FKを矢島が頭で落とし、山瀬がボレーシュートを狙うがゴール上へ。同32分にはジュニーニョの左足ミドルがポストを叩いた。

 怒涛の反撃を見せる川崎Fは後半35分、山瀬に代えてスーパーサブのFW小林悠を投入し、最後のカードを切る。システムは4-4-2のまま両サイドに小林、楠神が入る形で同点ゴールを目指した。

 終盤は川崎Fが猛攻を見せたが、後半39分、矢島の横パスを受けた中村の左足ミドルは惜しくもゴール右へ。ロスタイムには波状攻撃から最後は2戦連続で劇的ゴールを決めている小林がシュートを放つが、右ポストを直撃。試合はそのまま1-2で終了し、5月7日の神戸戦(0-1)以来、9試合ぶりとなる黒星を喫した。

(取材・文 西山紘平)

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