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横浜FMが“因縁”のダービー制す、木村監督「あー、気持ちいい」

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[7.3 J1第2節 横浜FM2-1川崎F 日産ス]

 “因縁”の一戦を制したのは横浜F・マリノスだった。「あー、気持ちいい」。試合後の記者会見を終えた木村和司監督は会見場を出る際、思わず“心の声”を漏らした。

「本音は絶対に負けたくなかった。先制されたときは本当に悔しかった」。そう強調した指揮官だけではない。両チームの選手、サポーターにとっても特別な一戦だった。

 ただの「神奈川ダービー」ではなかった。横浜FMのMF谷口博之は昨季まで川崎Fでプレー。川崎FのMF山瀬功治、DF田中裕介は昨季まで横浜FMに所属していた。DF小宮山尊信も2年前は横浜FMの選手。移籍の理由はさまざまだが、ライバル関係にさらに火が付いたのは確かだ。

「山瀬功治が外してくれるのもありがたいなあと思っていた」。木村監督は冗談交じりに話したが、互いが気持ちを前面に押し出し、激しくぶつかり合う好ゲームだった。谷口は後半15分にラフプレーで警告を受け、累積4枚目。次節は出場停止となるが、DF栗原勇蔵は「タニ(谷口)も絶対勝ちたかったと思う。警告? でも、やり切った顔をしてたよ」と胸の内を代弁した。

 2位・3位の上位決戦で手にした勝ち点3。シュート数は13本対20本と、相手の決定力不足に救われた部分もあったが、木村監督は「勝つときはツキもあるね。勢いのあるチームに勝ったのは大きい。この勝ちは本当に大きな勝ちだと思う」と力説した。

 負傷離脱中のMF中村俊輔が不在の中で飾った今季初の3連勝。首位・柏とは勝ち点1差まで迫った。木村監督は「俊輔がいないからとか、いるからとかではなく、試合でピッチに出たら自分の力をフルに出す。実力が付いてきたということ」と、チームの成長に手応えを感じている。次節9日の磐田戦は谷口が出場停止となるため、中村の先発復帰が濃厚だ。「俊輔も次の試合には出てくると思うし、そこで勝ったら本当にチームは勢いに乗ると思う」。視界にははっきりと柏の“尻尾”をとらえている。

[写真]勝利に満足の木村監督

(取材・文 西山紘平)

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