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“ラッキーボーイ”小林のシュートもポスト直撃、川崎Fが9試合ぶり敗戦

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[7.3 J1第2節 横浜FM2-1川崎F 日産ス]

 快進撃が止まった。川崎フロンターレは1-2の逆転負けで9試合ぶりの敗戦。5月7日の神戸戦(0-1)以来、実に57日ぶりの黒星を喫した。

 序盤の劣勢をしのぎ、ワンチャンスを生かした。前半22分、MF中村憲剛の左CKのこぼれ球をMF柴崎晃誠がシュート。左ポストに跳ね返ったボールはGK飯倉大樹の肩に当たり、ゴールマウスへ吸い込まれた。オウンゴールで先制点。理想的な展開だったが、完全に流れを引き寄せることはできなかった。

「立ち上がり相手に押されて、その中でよく先制点を取ったが、リズムを取り戻せないまま追い付かれた」。相馬直樹監督は悔しさを隠さない。追加点のチャンスに決め切れず、前半37分に失点。後半開始からは「最終ラインが支えきれていなかった」と、DF井川祐輔に代えてDF實藤友紀を投入する“荒療治”を施したが、後半26分に決勝点を許した。

 シュート数は20本対13本。後半だけでも11本対6本と、チャンスの数では上回っていた。後半35分にはFW小林悠を投入。2試合連続で途中出場から劇的ゴールを決めているスーパーサブに望みを託したが、後半ロスタイム、波状攻撃から最後は小林のボレーシュートもポストを叩き、万事休した。

 古巣戦となったMF山瀬功治は「得点チャンスで決め切れなかった。シュートを決めたマリノスとの差が出た」と唇をかむ。「カウンターではチャンスをつくれるけど、ビルドアップでチームとしてボールを保持できていない。チーム全体の守備も、もう一回詰める必要がある」と厳しい口調で言った。

 過去2戦は数的不利に立たされながら小林のまさに“救世主”と呼べる活躍ぶりで勝ち点を奪ってきた。8試合連続負けなしと結果が出ている分、課題が曖昧になってしまった部分もあった。「負けがない中で来て、負けてないことで守りに入ったのかなと。ここでもう一度リスタートできるように、次の試合に向けて準備したい」と相馬監督。この日の敗戦を無駄にすることなく、チームとしての力をもう1ランク押し上げる。

[写真]敗戦に落ち込む川崎F

(取材・文 西山紘平)

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