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[総理大臣杯]主力DF2人が不在も、元FWの1年生CBが奮闘!!指揮官「満点ですよ」

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[7.9 総理大臣杯・決勝 大阪体育大1-0中央大 金鳥スタ]

 大阪体育大が主力DFのCB濱上孝次(3年=清明学院高)と右SBの松竹貴大(4年=長崎日大高)を出場停止で欠きながらも、中央大に1-0勝利を果たし、全国優勝に輝いた。中央大の攻撃を封じ込み、試合を通じて2本のシュートしか打たせず。守備で攻撃をする」と坂本康博総監督が言い続けた言葉を選手たちが体現した。

 なかでも指揮官が「きょうは合格!満点ですよ。彼のお陰で勝ったかな」と大賛辞を送ったのが、濱上の代わりに先発へ抜擢されたルーキーDF坂本修佑(1年=初芝橋本高)だった。高校時代はセンターフォワードを務めていたが、「チーム事情でどうしてもストッパーが欲しかった」という理由で、今年の3月の練習試合を機に急遽CBへコンバート。その試合で坂本は、自分がDF起用されることについて、監督に問いただすことも無く、淡々とプレーしていたという。

 これを受けて坂本総監督は「身体能力があるし、1年間かけてなんとかものにしたい」と思ったそうだが、ルーキーはいい意味で指揮官を大きく裏切った。1年も経たずに迎えた総理大臣杯決勝。主力CBの不在を受けて、先発へ抜擢されると、大学での公式戦デビューを全国の大舞台で飾ることになった。しかし、臆することなく90分間プレー。灼熱のピッチでも一切表情を変えることなく、相手エースのFW安柄俊(3年=東京朝鮮高)に決定的な仕事をさせず。空中戦でも互角に戦った。また、“元ストライカー”らしさも断片に除かせ、前半16分には右クロスに頭から飛び込み、迫力あるヘディングシュートを放つなど、存在感をみせつけた。

 大阪体育大が掲げる「積極的な守備」「攻撃的な守備」を誰よりも体現できるのは、“元ストライカー”と攻撃的なポジションで経験を積んできた坂本なのかもしれない。しかし決勝の大舞台で活躍をみせたが、今後のスタメン定着が決まったわけではない。今季は濱上とDF菅原渉(3年=青森山田高)だけが、リーグ戦から総理大臣杯に至るまで、全試合に出場しており、まさに両CBがチームで唯一の不動のポジションだった。今回の活躍を弾みに、坂本が先輩DFの牙城を切り崩しにかかる。ルーキーの下からの突き上げが刺激となり、大阪体育大の守備陣は、今後さらなる成長を遂げそうだ。

[写真]先制点を喜ぶ坂本(中央)

(取材・文 片岡涼)
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