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[総理大臣杯]安「大事な舞台で出せないのが今の実力」、中央大はシュート2本で零封負け

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[7.9 総理大臣杯・決勝 大阪体育大1-0中央大 金鳥スタ]

 エースFWの不在が大きかった。中央大が試合を通じて放ったシュートはわずか2本。ここまでの全3試合で得点中のFW林容平(4年=浦和ユース)を出場停止で欠いたことが、もろに結果に現れた。先発に抜擢され、Wエースの一人であるFW安柄俊(3年=東京朝鮮高)と2トップを組んだFW皆川佑介(2年=前橋育英高)はシュート数ゼロに終わり、悔しい敗戦となってしまった。

 佐藤健監督は試合後の記者会見で「(林がいないのは)非常に大きかった。バイタルでのボールの触りが少なかった。もう少しあそこで触れていれば変わったと思う。逆にそこで取られてしまう場面が目立った」と試合を振り返った。

 前線にボールが収まらなかった。中盤との連動性を欠き、2トップはなかなかボールに触れず。思うようなプレーができずに試合を終えた。皆川が「いい状態でボールをもらえなかった。ボールに絡む回数も少なかった」と話せば、安は「容平くん(林)がいないのは気にしないで、やっていた。でも俺とミナ(皆川)のお互いの良さをもっと出せれば良かった。チームとしても個人としてもやりたいことが全然できなかった。こういう大事な舞台で出せないっていうのが今の実力なんだと思う」と唇を噛んだ。

 悔やまれる結果に終わったが、大きな収穫がある大会となったことは間違いない。佐藤監督が「前期のリーグ戦を下の順位で終えていたので。ひとつでも多く試合をやって、9月からのプラスにしたいと思っていた」と話したように、中央大はリーグ戦では思うような結果が出せず、今大会直前にはリーグの前半戦を下から2番目の11位で終えていた。不振続きで苦しい状況だったにも関わらず、チームとして前を向き、全国の猛者相手に3連勝を飾ったことは大きな自信となったはずだ。

 また、初戦・新潟経営大戦では先制されての2-1勝利。2回戦では優勝候補筆頭の流通経済大をなんとか抑えて2-0で下した。そして準決勝では、先制されながらも2-1の逆転勝ち。指揮官は「粘り強く最後までやったり。守備をしたり。前期のリーグ戦ではないものができた」と評価した。

 安は敗戦に悔しさをにじませながらも、「(リーグ戦では)11位でも首位との差は勝ち点8なので、優勝を狙える位置だと思う。後期リーグで優勝して、もう一度全国の舞台でやりたい。今度はしっかりと“中央大のサッカー”で戦いたい」と強く意気込み、冬の大学日本一決定戦・全日本大学選手権で再び全国の舞台へ立つことを誓っていた。

[写真]最後まで走りぬいた安だったが、ゴールは遠く……

(取材・文 片岡涼)
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