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6戦ぶり復帰のチョ・ヨンチョルが劇的決勝弾!!新潟が鹿島に逆転勝利

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[7.10 J1第3節 鹿島1-2新潟 カシマ]

 J1第3節は10日、各地で残り3試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズアルビレックス新潟が対戦。鹿島は後半11分、MF野沢拓也のPKで先制したが、新潟も同14分にFWブルーノ・ロペスのPKで追い付くと、同43分、6試合ぶり復帰となった途中出場のMFチョ・ヨンチョルが決勝点を決め、2-1で逆転勝ちした。2試合連続ドロー中だった鹿島は5戦ぶりの黒星となった。

 鹿島は前節・清水戦(0-0)と同じ先発メンバーで臨んだ。ダブルボランチはMF増田誓志とMF青木剛のコンビで、MF小笠原満男は3試合連続のベンチスタート。MFフェリペ・ガブリエルが7試合ぶりにベンチ入りした。
 中3日の新潟は前節・甲府戦(1-2)から先発2人を変更。MF小林慶行が4試合ぶりに先発し、DF菊地直哉がボランチからCBにポジションを下げた。前線ではFWミシェウに代わってFW川又堅碁が4試合ぶりに先発。負傷明けのMFチョ・ヨンチョルも6試合ぶりのベンチ入りを果たした。
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 試合は立ち上がりから球際の競り合い、セカンドボールへの反応で上回る鹿島がリズムをつかみ、主導権を握った。前半3分には高い位置からプレッシャーをかけてボールを奪ったFW田代有三がシュート。同8分にもMF遠藤康が右サイドから中に切れ込み、左足でミドルシュートを狙った。

 劣勢を強いられる新潟はミスも目立ち、なかなか相手陣内まで攻め込むことができない。前半21分にFWブルーノ・ロペスが自らドリブルで持ち上がり、右足ミドルを放ったのが初シュート。苦しい展開となったが、守備では粘り強く鹿島の攻撃に対応し、決定機をつくらせなかった。

 前半26分には両チーム通じて最初の決定機が新潟に訪れる。右サイドでボールを持ったDF酒井高徳が縦にスルーパス。DFアレックスの背後のスペースを突いたMF三門雄大がフリーで抜け出したが、シュートは大きく浮かしてしまい、チャンスを生かせなかった。

 その後もボール支配率を高める鹿島だが、新潟の堅守を攻めあぐねる。前半31分、増田、遠藤とつないでPA内左サイドに走り込んだMF野沢拓也が折り返すが、田代にはわずかに合わない。同38分にはゴール正面から田代が左足で狙ったが、GKの正面を突いた。

 0-0で折り返した後半もこう着状態が続く。新潟は後半6分、スルーパスに抜け出したロペスがシュートを狙うが、GK曽ヶ端準が体を張ってセーブ。同7分には鹿島がチャンスをつくり、FW興梠慎三の左クロスをゴール前でトラップした田代がシュート体勢に入ったが、DF石川直樹がスライディングタックルで何とかブロックした。

 この直後、試合が大きく動き出した。鹿島は後半9分、野沢の右CKのセカンドボールを拾った遠藤が左サイドから仕掛け、PAぎりぎりで三門に倒される。家本政明主審はPKの判定。これを野沢が落ち着いてゴール左下隅にねじ込み、野沢の今季初ゴールで鹿島が先制に成功した。

 ところが、その2分後の後半13分。今度は新潟がロングフィードに反応したMF田中亜土夢がDF岩政大樹の前に体を入れ、PA内に進入する。岩政とDF西大伍に挟まれる形で倒され、今度は西のファウルとして新潟にPKが与えられた。これをロペスがゴール右上に蹴り込み、1-1の同点。ロペスの2戦連発となる今季6得点目で試合は振り出しに戻った。

 勢い付いたのは、同点に追い付いた新潟だった。後半19分、DF酒井高徳の右クロスから川又がヘディングシュート。その直後にも田中が強烈な右足ミドルシュートを狙った。いずれもGKの好セーブに阻まれたが、その後はエースの投入で一気に逆転を狙った。

 後半20分に両チームが選手交代。鹿島は遠藤に代えてフェリペ、新潟は小林に代えてチョと、それぞれ負傷明けのキーマンをピッチに送り込む。チョは2列目の左サイドに入り、田中が右サイドに回って、三門がボランチにポジションを下げた。

 鹿島は後半23分にも田代に代えてFW大迫勇也を投入するが、流れは新潟に傾いていった。後半22分に積極的にミドルシュートを狙ったチョは同25分、鋭いドリブルで左サイドを突破。最後はDFの体を張ったディフェンスに止められたが、そのスピードと個人技で鹿島守備陣に脅威を与えた。

 鹿島は後半34分、西に代えて小笠原を投入し、最後のカードを切る。小笠原はボランチに入り、増田が右SBに下がった。新潟も同35分、川又に代わってFWミシェウがピッチに入る。互いに切り札を投入し、勝負を決める2点目を狙った。

 そして後半43分、新潟は途中出場の外国人コンビが期待通りの活躍でチームに勝ち点3をもたらした。右サイドでボールを受けたミシェウが巧みなリフティングでボールを浮かしてクロスを送ると、ニアサイドに走り込んだチョが頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。チョの14試合ぶり今季2点目となる復活弾が劇的な決勝点。新潟が2-1の逆転勝利を飾り、2試合ぶりの勝ち点3を手にした。

(取材・文 西山紘平)

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