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終盤にもろさ見せる鹿島、チーム内にのぞく“不協和音”

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[7.10 J1第3節 鹿島1-2新潟 カシマ]

 鹿島アントラーズが痛恨の逆転負けで5試合ぶりの黒星を喫した。後半11分にMF野沢拓也の今季初ゴールとなるPKで先制したが、3分後にPKで追い付かれる。終盤は中7日の鹿島に対し、中3日の新潟に運動量でも上回られ、終了間際の後半43分に決勝点を献上した。

 前々節の川崎F戦も2点リードを10人相手に守り切れず、後半ロスタイムに追い付かれ、2-2の引き分けに終わった。最後に勝ち切る、あるいはリードしている状況で逃げ切る。鹿島が最も得意としてきたはずの終盤の戦い方にもろさがある。

 キックオフ時点で気温28.3度、湿度80%の蒸し暑いコンディションの中、試合のカギを握るのは途中出場の選手だった。新潟は後半20分から出場したMFチョ・ヨンチョル、同35分から出場したFWミシェウのコンビで決勝点を決めたのに対し、鹿島は選手交代で流れを引き寄せることができなかった。

 1-1の後半20分にMFフェリペ・ガブリエルとの交代を命じられたMF遠藤康は「なんで交代なのか。それで負けたのが一番悔しい」と不満を隠さない。その後もFW田代有三に代わってFW大迫勇也、DF西大伍に代わってMF小笠原満男がピッチに送り込まれたが、効果的なプレーは見せられなかった。

「先発で出ている僕らが頑張っている以上に、途中から出る選手には頑張ってもらわないと。勝っているときとか、同点のときに交代して、そのあとにやられるのは……。(田代)有三さんとかが一番悔しいと思う。悪循環というか、交代する意味がないんじゃないかと思う」。遠藤の言葉は辛辣だった。

 MF青木剛は「守備が崩されたというより、PKとリスタート崩れ。相手の1点目は先制した直後で、2点目は終了間際。もっと徹底しないといけない時間帯だった」と反省し、「ミシェウとチョが入って流れが変わったとかではなく、セットプレー崩れで足が止まってしまった感じだった。そこの注意力が足りなかった」と、チーム全体としての課題を挙げたが、下位に低迷するチーム内に“不協和音”が生まれてくれば、チーム崩壊にもつながりかねない。

(取材・文 西山紘平)

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