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原口の弾丸ミドル&永田の3年ぶりゴールで浦和が川崎Fに完封勝利

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[7.13 J1第4節 浦和2-0川崎F 埼玉]

 J1第4節は13日、各地で8試合を行い、埼玉スタジアムでは浦和レッズ川崎フロンターレが対戦した。浦和は後半12分、FW原口元気の2試合ぶり今季6得点目で先制すると、同34分にDF永田充の今季初ゴールで追加点。2-0の完封勝利で4試合ぶりの勝ち点3を手にし、順位も15位から暫定13位に上げた。

 3試合連続引き分け中の浦和は前節の山形戦(0-0)を負傷欠場したMFマルシオ・リシャルデスが先発に復帰した。MF柏木陽介が5試合ぶり、FW高崎寛之が7試合ぶりに先発復帰し、システムも4-4-2から4-2-3-1に変更。2列目は右からFW田中達也、マルシオ、FW原口元気と並び、高崎が1トップに入った。
 川崎Fは出場停止のDF田中裕介に代わって大卒ルーキーのDF實藤友紀が右SBでプロ初先発。それ以外は前節の福岡戦(3-2)と同じメンバーだった。
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 立ち上がりは中盤でのせめぎ合いが続き、こう着状態となった。最初のチャンスは前半11分の川崎F。MF中村憲剛が1本のパスで最終ラインの背後を突き、PA内右サイドにFW矢島卓郎が抜け出す。シュート性の折り返しはDFに当たってコースが変わり、逆サイドからFWジュニーニョが詰めたが、わずかに届かなかった。

 前半17分には浦和もチャンスをつくる。左サイドでボールを持った原口がドリブルで仕掛け、PA内に進入。DFともつれたこぼれ球をマルシオが狙い、ゴール前に詰めていた高崎が押し込んだ。しかし、これは高崎の位置がオフサイド。ゴールネットは揺れたものの、先制点とはならなかった。

 浦和は原口が個人技で局面を打開するが、チームとして連動した攻撃をなかなか見せられず、徐々に川崎Fが試合のペースを握る。前半20分、MF山瀬功治の縦パスを受けたジュニーニョのシュートはGKがセーブ。同29分には中村が強烈なミドルシュートを放ったが、ゴール上に外れた。

 いい時間帯で先制点のほしい川崎Fだが、決定機を生かせない。前半36分、浦和の最終ラインでのパス回しにジュニーニョがプレッシャーをかけると、DF永田充からボールを奪い、独走。しかし、前に出ていたGKの頭上を狙ったループシュートはゴールのわずか左へ。絶好のチャンスを逃し、前半は0-0で折り返した。

 後半最初の決定機も川崎Fだった。後半3分、左サイドを突破した山瀬のマイナスの折り返しをジュニーニョがトラップからシュート。しかし、これもゴール上に外してしまう。再三チャンスをつくりながらフィニッシュ、ラストパスの精度を欠き、決め切れない川崎Fに対し、浦和は目の覚めるような一発でワンチャンスをゴールにつなげた。

 後半10分、マルシオに代わってMF山田直輝がピッチに入ると、その2分後だった。左サイドで柏木からパスを受けた山田直が入れ替わるように中に入った原口に横パス。原口はドリブルで前に運び、迷わず右足を振り抜く。弾丸ミドルは右のサイドネットへ一直線。原口のスーパーシュートで浦和が先制に成功した。

 リードを許した川崎Fは後半17分、MF稲本潤一に代えてMF登里享平を投入。中村がボランチに下がって山瀬が右サイドに回り、登里は2列目の左サイドに入る。さらに同19分、CBのDF菊地光将に代わってDF伊藤宏樹がピッチに入った。一方、浦和は後半26分、田中に代えてFWエスクデロ・セルヒオを投入。攻撃的なカードを切って積極的に追加点を狙った。

 早めに同点に追い付きたい川崎Fだが、先制点を取ったことで落ち着きを取り戻した浦和守備陣を攻めあぐねる。逆に後半30分には實藤が自陣で山田直にボールを奪われ、ピンチを招いた。山田直からラストパスを受けたエスクデロのシュートはGKが何とか弾くも、試合の流れは先制後、完全に浦和に傾いていった。

 浦和は後半33分、高崎に代えてFWマゾーラ、川崎Fは同34分、山瀬に代えてFW小林悠を投入。互いに最後のカードを切ったが、この直後、浦和に決定的な2点目が生まれた。後半34分、柏木の右CKをニアサイドでDFスピラノビッチが打点の高いヘディングシュート。一度はGKが弾いたが、こぼれ球を永田が右足で押し込んだ。

 永田にとって新潟時代の08年6月28日・川崎F戦(2-1)以来、3シーズンぶりとなる移籍後初ゴールがダメ押しゴール。浦和がそのまま2-0で逃げ切った。11試合ぶりの無得点に終わった川崎Fは2試合ぶりの敗戦。順位も3位から5位に後退した。

(取材・文 西山紘平)

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