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川崎Fは離脱者続出でも首位撃破「誰が出ても結果を出せることを証明できた」

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[7.16 J1第5節 川崎F3-2柏 等々力]

 川崎フロンターレが首位の柏レイソル撃破に成功した。前半のうちにFW矢島卓郎、FW小林悠の得点で2-0リードを奪いながら、後半26分に2-2の同点に追いつかれ、その後も押し込まれる苦しい展開が続いたが、FWジュニーニョのPK弾で3-2で競り勝った。首位を下して暫定3位となったが、代役たちが導いた勝利だった。

「グループの強さが見せられた。交代で入った選手、代わりで出た選手、全員が一人ひとりの力を見せてくれた。首位のチームに勝てたことが凄く良かった」

 ジュニーニョがこう振り返ったように、まさに総力戦での勝ち点3だった。この日、司令塔の中村憲剛が発熱で、ボランチの稲本潤一が右膝痛のため欠場した。そのうえ、FW矢島卓郎が左太腿裏を痛めて前半30分で交代。さらにMF柴崎晃誠も左内転筋痛で前半だけで交代するアクシデントに見舞われた。主力4選手が不在となる苦しい台所事情だった。

 しかし、代役たちが奮闘した。憲剛の代役となったMF登里享平が得意のドリブルと運動量を発揮。得点こそなかったが、相手に脅威を与えた。稲本の代役を務めたMF田坂祐介は、フル出場で攻守両面で支えた。満足のいく試合内容ではないが、難しい舵取りを任された中、冷静なゲームメイクで奮闘した。

 矢島に代わって出場したFW小林悠は、出場から1分後の前半31分に2-0とするゴールを決めた。その後、2-2に追いつかれたが、後半34分から途中出場したFW久木野聡が仕事をした。同38分に鋭いドリブル突破でPKを奪い、ジュニーニョの決勝PKにつなげた。まさに、みんなの力が結集されて奪った白星だった。

 相馬直樹監督は「チームが一つになった、素晴らしい勝利」と選手たちを高く評価した。5試合ぶりの先発となった田坂も「いつ出てもいいようにしっかりと準備していた。誰が出ても結果を出せることを証明できた。タイトルを取るためにはみんなが一丸となって、力を発揮しないといけないと思う」と胸を張った。

 左SBでフル出場し、1点目の矢島の先制点をお膳立てしたDF小宮山尊信も「代わりに出た田坂やノボリは、イナさんやケンゴさんに無い物を持っている。遜色なくできるとみんな思っている。もちろん、イナさんとケンゴさんがいないのは痛いけど、大事な試合で、みんな気持ちが入っていた」と田坂らを賛えた。

 勝ち点を30に伸ばし、暫定ながら3位に浮上した。首位の柏とは勝ち点4差になった。仮にあす17日に2位の横浜FMが勝利して首位が入れ替わっても、勝ち点差は6。射程圏内に捉えたといっていい。スーパーサブ起用が続く中、得点ランク3位タイとなる今季8得点目を決めた小林は「これからも全員の力で勝ちたい」と前を見据えた。チーム力への手応え、自信をつかんだ一勝。これから続く優勝戦線へ、勝ち点3以上の勝利となった。

[写真]前半5分、先制点を決めたFW矢島卓郎。その後負傷交代もチームは競り勝った

(取材・文 近藤安弘)

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