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川崎F小林が緊急出場から1分でゴール、スーパーサブながら早くも今季8得点

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[7.16 J1第5節 川崎F3-2柏 等々力]

 若きストライカーが、スタジアムに充満した不安を瞬時にかき消した。前半30分、開始5分で先制点を決めたFW矢島卓郎が左太もも裏を痛めて負傷交代したが、代わりに入ったFW小林悠が悲鳴を歓喜に変えた。

 緊急出場からわずか1分後、MF山瀬功治の右サイドからのグラウンダークロスに飛び込み、右足で2-0とリードを広げるゴールを決めた。「準備していなくて、どうなるかと思いましたが、よかったです。こっちの方に転がってくるかなと思って走った。転がってきたときは“持っている”と思いました」と笑顔の小林。4試合ぶりの今季通算8得点目。これで得点ランク3位タイとなった。

 8得点は今季目標に掲げてた数字。小林はさっそく目標を、自身の背番号と同じ11得点に上方修正した。ここまでの8得点は、本当に立派な数字だ。なぜなら、うち6得点が途中出場によるものだからだ。まさに『スーパーサブ』という冠がふさわしい数字。小林は途中からでもゴールが取れる秘訣について「どこに転がってくるか常に考えて、とっさに動くことが出来ている。ゴール嗅覚? よく言うとそうですかね」と明かした。元々はドリブラーだが、プロ入り後は途中出場が多く、プレーの幅を広げようと努力している結果が、嗅覚アップにつながった。

 味方の奮闘もあり、小林が決めると試合に負けない“不敗伝説”も8(6勝2分)に伸びた。小林は「そうでしたね。誰も気づいてませんでした。まだ負けてないんですね」とにっこりと笑った。次戦は矢島の負傷状況次第で、6試合ぶりの先発の可能性がる。若き点取り屋は「ヤジさんの怪我次第ですけど、しっかりと準備したいです。今までのようにやっていきたい」と静かに闘志を燃やした。先発でもゴールを決めるつもりだ。

[写真]緊急出場から1分後にゴールを決めたFW小林悠

(取材・文 近藤安弘)

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