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相馬が3シーズンぶりにJのピッチへ「久しぶりで懐かしい感じがした」

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[7.23 J1第5節 横浜FM1-0神戸 日産ス]
 ドイツ2部のコットブスから新加入したヴィッセル神戸のDF相馬崇人が、23日の横浜FM戦で2008年以来3シーズンぶりにJリーグのピッチに立った。「久しぶりで懐かしい感じがした。ああ、こんな感じだったなというのはあった」という相馬は、0-1の後半39分、司令塔のボッティと代わって出場。左SBに入って攻撃にアクセントを加えようとした。
 ロスタイムにはシュートチャンスがあったが、相手DFにブロックされるなど得点には絡めなかった。同点に導けず、「ぜんぜん、自分らしさを出せなかったというか、うまくゲームに入れなかった。負けてビハインドになったら入るなと思っていた。準備はしていたけど、難しかったですね。時間も短かったし、そうですね、いろんな意味で……」と悔しさをにじませた。
 コットブスとの契約はもう1シーズン残っていたが、家族の住環境のこと、またより自身の長所を活かすサッカーをしたいとの思いから6月に契約解除を申し入れ、新天地を探してきた。欧州のほか、アメリカのMLSなど海外でのプレーを思い描きながらも、神戸からオファーを受け、Jリーグ復帰を決断した。
 しかし、6月に退団以降、シーズンオフだったためほとんど練習ができず、コンディション調整に苦しんだ。本格的な練習を行ったのは神戸に加入した今月6日から。「この間の練習試合も45分しかやってないから、とりあえず早く90分、ほんちゃん(公式戦)でも練習試合でもいいから、積み重ねていって、コンディションを上げていくしかない」。
 通常、Jリーグでも欧州でも2ヵ月前後のキャンプを行ってからシーズンインするが、相馬は3週間にも満たない中でスタートを切った。逆に言えば“もっとやれる可能性”を秘めている。この日もボールを持った時の“切れ味”は世界を感じさせる部分があった。試合勘が戻れば、神戸の“救世主”になれるはずだ。
 チームはこれでJ1残留圏内ギリギリの15位に後退した。「早くいい形で、勝ちを積み重ねていかないといけない。やっぱ今、ぎりぎりのところにチームがいる。自分が入ったことで、もっと(順位を)良くしていかないといけない。そういう責任感は感じている」。下位に低迷し続ける神戸だが、欧州でもまれたアタッカーは、かつて浦和でそうしたように、神戸をトップチームへと導くつもり。相馬の新たな挑戦が始まった。
(取材・文 近藤安弘)

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