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俊輔が“勝ち方”に手応え、「したたかな戦い方ができている」

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[7.23 J1第6節 横浜FM1-0神戸 日産ス]

 横浜F・マリノスのMF中村俊輔が、神戸戦の1-0勝利の内容に、珍しくチームの成長を口にした。決勝点は後半18分に左サイドからのクロスをMF谷口博之が頭で落としたものを、MF兵藤慎剛が詰めて左足ボレーで決めたもの。一見、俊輔が好まなそうなパワープレーともとれるが、そうではなかった。

「綺麗なサッカーというよりも、タニ(谷口)が落としたボールをうまくどう持っていくかが大事になる。綺麗なサッカーをして勝つのは理想だけど、きょうみたいなのは、実はマリノスの一つの形になってきている」と“チームの得点パターン”だと胸を張った。

 木村和司監督の就任1年目だった昨季は「ちゃぶる」という言葉を掲げ、相手を翻弄する、おちょくるといった見ていて楽しい攻撃的なサッカーを目指した。しかし、結果は出ず。今季はその理想よりも、まずは勝ち点3を奪うことを重視している。俊輔は「去年は『ちゃぶる、ちゃぶる』と言って、言葉ばかりが先行した感じだけど、今年はしたたかな戦い方ができている。今回みたいなのは、象徴的な試合」と戦況を見ながら試合を運べている点を挙げ、一定の評価を下した。

「見ている人はおもしろくないんじゃないかなと思うけど、いい外国人選手がいるわけじゃないし……。Jリーグはどこのチームも同じような力だし、綺麗な試合をやろうとしても難しい。一番は勝つこと」

 前節で首位にたった際には「なんで今、上の方にいるんだろうな。確信がないまま勝っている」と話していた司令塔だが、うまく逃げ切って勝利をつかんだ神戸戦を振り返り、少しずつ確信が芽生えつつある様子。もちろん、まだ試合内容に満足はしていないが、目指す方向がまとまってきたことは、大きなアドバンテージとなる。

(取材・文 近藤安弘)

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