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ボルシアMGへ移籍の大津がサポーターに涙の挨拶、「レイソルは宝物」

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[7.23 J1第6節 柏2-1鹿島 国立]

 3年半の記憶が走馬灯のように蘇った。国立競技場に詰めかけた3万人を超える観衆の前でマイクを握ったFW大津祐樹は「このたびボルシアMFに移籍することになりました」と第一声を発すると、感極まって言葉に詰まった。「柏では4年間、自分のプレーを成長させていただいて、本当に感謝しています。この感謝の気持ちは、次のチームで結果を残すことで応えたいと思います」と、あふれ出る涙を必死にこらえながら挨拶した。

 その後はゴール裏のサポーター席まで上がり、「大津祐樹を止めないで!」と書かれたTシャツを贈られ、笑顔と涙でサポーターとの最後の時間を過ごした。FW北嶋秀朗から花束を贈られ、チームメイトから胴上げも受けた大津は「めちゃくちゃうれしかったです」と満面の笑みを見せ、「自分にとって、レイソルは宝物です」と、サポーターや選手、スタッフ、柏レイソルにかかわるすべての人に感謝した。

 ボルシアMGへの移籍が決まり、この日はスタンドからチームの勝利を祈り続けた。「キタジさん(北嶋)さんも点を決めてくれて、すごい幸せでした。チームが勝って(ドイツに)行きたかったので、全力で応援しました」と、白い歯をこぼした。

 中学時代、鹿島の下部組織である鹿島ノルテジュニアユースで過ごした大津にとって、柏対鹿島が“最終戦”となったことにも不思議な縁を感じていた。「両方ともお世話になったチーム。いろんな思いが込み上げてきた。あとは向こうで活躍するだけだと思うので。しっかり結果を残して頑張っていきたい」と、あらためて決意を語った。

 今月上旬に渡欧し、3日間にわたってボルシアMGの練習に参加した。9日にはアバディーンとの練習試合にもフル出場。「3日間だけで分からないこともたくさんあるけど、感触としてはやれるかなとも感じた」と自信ものぞかせる。24日にドイツに向け出発し、チームに合流。8月7日の開幕戦に向け、アピールしていく。

 開幕戦では強豪・バイエルンと対戦する。いきなりMF宇佐美貴史との日本人対決が実現する可能性もある。「日本人選手とやるのは楽しみだけど、まず自分が出ることが大事。最初から全力でアピールしたい」。また一人、日本が誇る快足ドリブラーが海を越え、新たなチャレンジの第一歩を踏み出す。

[写真]ボルシアMGへの移籍が決まったFW大津祐樹がゴール裏のサポーター席まで上って挨拶する

(取材・文 西山紘平)

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