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ルーカス復帰弾!F東京が今季最多5得点で熊本を下し首位をキープ

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[7.24 J2第22節 F東京5-0熊本 国立]

 J2は24日に第22節の2日目を行い、東京・国立競技場では前節首位のFC東京ロアッソ熊本が激突した。前日の試合で前節2位の千葉が勝利したため、FC東京は引き分け以下なら首位を明け渡すところだったが、今季最多の5得点を奪い5-0で大勝。11戦負けなしとし、首位をキープした。熊本は7試合ぶりの黒星となった。

 ここまでの10試合を7勝3分と負けなしで前節ついに首位に立ったFC東京。この日も4-5-1システムを採用しGKは塩田仁史、DFラインは右から徳永悠平、森重真人、今野泰幸、中村北斗。ダブルボランチは高橋秀人と梶山陽平が組み、右MFには田邉草民、左MFには谷澤達也が入った。トップ下は羽生直剛、1トップはロベルト・セザーが務めた。

 対する熊本も最近6試合を2勝4分の負けなしとまずまずの調子にあった。システムは4-4-2でGKは南雄太、DFラインは右から市村篤司、チョ・ソンジン、福王忠世、原田拓。ダブルボランチは根占真伍とエジミウソンが組み、2列目は右に武富孝介、左に片山奨典が入った。2トップはファビオと長沢駿が組んだ。

 前半2分、熊本のエジミウソンがこぼれ球から右足ボレーを放ってFC東京をヒヤリとさせたが、その後はFC東京が圧倒的な力の差を見せつけて攻め込んだ。同3分、味方が竸って落としたボールを田邉が拾って左足ミドル。同7分にはロベルト・セザーが左サイドからドリブルで切れ込みシュートを放った。いずれもGK南にセーブされたが、何度もゴール前にボールを運び続けた。

 熊本は守ってからのカウンターを狙うが、今野を中心とした堅守に阻まれる。前半10分、FC東京は田邉の縦パスを羽生がダイレクトで前線に送り、ロベルト・セザーが抜け出してGKと1対1に。右足で低く抑えたシュートを放ったが、わずかに左に外した。

 FC東京は攻め込みながらも最後のシュート精度を欠いてしまい、ゴールを奪えな。前半16分、こぼれ球から田邉がゴール正面でシュートを放ったが、相手DFにブロックされた。同20分には羽生が深い位置で拾って左サイドのロベルト・セザーにパス。羽生がリターンを受けてPA左からゴール右上を狙ってシュートを放ったが、GK南の好セーブに阻まれてしまった。

 その後もFC東京は前半37分にPA左からロベルト・セザーが右足で狙い、同41分には中村がブレ球FKでゴールを狙ったが、いずれもGK南のファインセーブに苦しんだ。しかし、後半44分、ようやくFC東京が先制した。

 前半43分、中央やや右サイドに出た縦パスにロベルト・セザーが快足を活かして抜け出し、グラウンダーで折り返しを入れた。これは相手DFに防がれたが、こぼれ球を拾おうとPA内に走り込んだ谷澤達也根占真伍に後方から倒されてPKを獲得。根占は一発退場に。このチャンスをロベルト・セザーがきっちり決めて1-0とした。

 後半も1選手多いFC東京が主導権を握る。後半3分には追加点を奪った。オフサイドぎりぎりの中で右サイドを崩し、最後は今野がグラウンダークロス。これを中央で羽生直剛が左足で決めて2-0とリードを広げた。

 熊本は後半10分、一気に2選手を入れ替えた。武富に代えてFW松橋章太を、チョに代えてDF矢野大輔を送り出した。熊本は長沢の高さ、松橋のスピードを活かして攻めようとするが、なかなか思うような組み立てができない。ただFC東京も15分すぎからややスローダウン。一進一退の攻防が続いた。

 そんな中、FC東京は個人技で追加点を奪った。後半21分、中央やや右サイドから谷澤達也がDFに挟まれながらも強引にドリブルで突破し、PA内中央へ。そこでエジミウソンに倒されてPKを獲得した。ロベルト・セザーが蹴ろうと寄ってきたが、谷澤は自らボールをセットし、しっかりとゴール左上に決めた。開幕の鳥栖戦以来となる今季2得点目で、3-0リードを導いた。

 後半27分、両チームともに選手交代を行った。FC東京は羽生に代えてFWルーカスを投入。熊本は片山に代えてMF仲間隼斗を入れた。熊本はこれで交代枠を使い切った。その直後、FC東京が再び追加点を奪う。

 後半28分、右太ももに違和感を抱えながら強行先発した徳永悠平が強烈な右足ミドルを叩き込み、4-0とリードを広げた。2戦連発で貢献した徳永は同31分、DF椋原健太と交代した。さらにFC東京は同40分、中村に代えてDF柳楽智和を投入。そのまま左SBを務めた。

 そして後半42分、この日一番とも言える大歓声が国立を包んだ。右サイドから梶山のアーリークロスにルーカスが走り込み、巧みな右足トラップでゴール前に進入し、右足でゴールネットに突き刺した。前節の岐阜戦で復帰初出場を果たし、出場2試合目で初ゴールを決めた。試合はそのまま5-0で終了。FC東京が勝ち点を35に伸ばし、首位をキープした。

(取材・文 近藤安弘)

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