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[総体]神村撃破!大阪桐蔭が最激戦ブロック突破し8強進出!

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平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)
[7・30 全国高校総体3回戦 大阪桐蔭1-0神村学園 西目カントリーパークサッカー場]

 最激戦ブロックを勝ち抜いたのは大阪桐蔭! 秋田県で開催中の平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技は30日、3回戦8試合を行い、ベスト8が出揃った。由利本荘市の西目カントリーパークで行われた第1試合では、大阪桐蔭(大阪)と神村学園(鹿児島)が激突。大阪桐蔭がMF俵石直哉(3年)の決勝ゴールにより1-0で勝ち、静岡学園と対戦する準々決勝(8月1日)進出を決めた。

 高校日本一経験のある青森山田、野洲、武南や神村学園、米子北、旭川実と近年の全国大会やプリンスリーグで好成績を残しているチームたちが名を連ねた最激戦ブロックを05年創部の大阪桐蔭が突破した。旭川実をPK戦の末下し、米子北戦は後半終了間際の決勝ゴールで劇的な勝利。そしてこの日、1点差で神村学園も突破した。永野悦次郎監督は言う。「プリンスリーグ(45分ハーフ)とは違う35分のノックアウト方式。ボールも違うし、ゲームコントロールできていたプリンスリーグのようにはいかない。くじけて潰れる要素はあった。でも我慢強くできれば、このブロックでもここまで来れると思っていた。選手たちが我慢強くよくやってくれています」。

 この日の対戦相手は巧みなボールコントロール技術を持ち、攻撃をスピードアップする術を知る注目MF永冨弘之(3年)擁する神村学園。サイドチェンジや縦パスで揺さぶり、バイタルエリアをパスワークで崩しにかかってきた。一方、大阪桐蔭は立ち上がりにラッシュ。敵陣でボールを支配する時間を高め、俵石やMF筏修造(3年)が積極的にシュートを打ち込む。互いが仕掛けあった序盤。その中で先制ゴールを奪ったのは大阪桐蔭だった。

 前半9分、J注目のFW田中淳一(3年)が右中間から弾丸ライナーの左足ミドル。パンチのある一撃をGKが正面ではたくが、こぼれ球にいち早く反応していた俵石が飛び込んできたGKをチップキックでかわしてからゴールへ押し込む。鮮やかな先制ゴールで試合の流れは大阪桐蔭に傾いた。大阪桐蔭はこの後もCB福井秀(3年)が決定的なヘディングシュートを放ち、この日最もドリブルにキレのあったFW堀口巧(3年)が1対1を制して決定機をつくり出す。

 一方、なかなかシュートまで持ち込めない神村学園は、前半21分に10番FW砂田琢己(2年)に代えてFW福永健人(2年)を投入。縦への怖さのある福永がスペースを突くなど反撃した神村学園は前半終了間際、チームのファーストシュートとなった永冨の右足シュートがゴール左ポストをかすめ、後半の巻き返しを予感させた。

 今大会2試合で挙げた7得点全てを後半に決めている神村学園。得意の後半、チャンスはつくるものの決め切れない大阪桐蔭にじわりじわりとプレッシャーをかける。ただ最終ラインであと1人かわせば、というところまでボールを運ぶものの、大阪桐蔭は右SB眞野寛規(3年)やCB元澤慎之介(3年)が相手に決定的な仕事をさせない。また中盤では筏やMF中尾元基主将(3年)が辛抱強く対応。ともに1回戦からの出場で、3連戦の3試合目ということもあり、どちらにとっても体力的に苦しい終盤となった。

 それでも懸命に前に出てくる神村学園は後半21分、カウンターからの左アーリークロスが、マーカーを外してPAへ飛び込んだFW野嶽惇也(2年)の下へ入る。だが左足ダイレクトで放った決定的なシュートは枠を捉えず。25分に福永の絶妙なループパスに走りこんだMF宮内拓未(3年)の左足シュートもゴール右へ外れた。

 MF遠藤哲太(3年)や永冨のテクニックを活かしたドリブルも交えて攻めた神村学園だったが、田中のスピードや俵石、MF中村真輔(3年)のテクニックを活かしたカウンターを繰り出しつつ、集中力を切らさずに守り抜いた大阪桐蔭が1-0で勝利。08年以来3年ぶりのベスト8へ駒を進めた。

 大阪桐蔭の中尾主将は「うれしい。目標は優勝だけど、ここまでこれるとは正直思っていなかった。これまで練習試合で何度も追いつかれてきた。これがあったから、いつもならやられてしまうところをきょうはできたんだと思う。これまで大阪桐蔭はリーグ戦では結果を出してきたと思うけれど、トーナメントでは力を発揮できていなかった。それがノックアウトで勝てた。成長できている」。

 昨夏の大阪府予選は8強で姿を消し、冬の選手権予選も16強で敗退。激戦区のプリンスリーグ関西でJクラブユース勢相手に健闘している一方で一発トーナメントで勝負強さを発揮できなかった。それが、押し込まれた状況で我慢強く凌ぎ、最激戦ブロックを勝ち抜くという結果を残した。俵石は「目標は優勝と東北の人たちに元気、勇気を与えるサッカーをすること。(GKをかわした)ゴールで観客も沸いてくれたと思うし、目標を達成する手ごたえがつかめた」。最激戦ブロックをチーム一丸となった戦いぶりでしぶとく突破した大阪桐蔭。勝利で得た自信とともに、目標の頂点まで駆け上がる。

[写真]8強進出を喜ぶ大阪桐蔭イレブン。(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)

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