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[MOM465]静岡学園FW深瀬健也(2年)_BチームFWが1ヵ月でロスタイム弾FWへ

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平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 全国高校総体準決勝 流通経済大柏1-2静岡学園 八橋運動公園球技場]

 わずか1ヵ月前までBチームにいた2年生FWが決勝進出の立て役者となった。1-1で迎えた後半ロスタイム、「(山本)真也クンがタイミングよく出してくれた」とスルーパスで抜け出した静岡学園FW深瀬健也(2年)が追ってきたDFを外して独走。「(劣勢の中)DFがしっかり守ってくれた」とチームの思いを乗せて放った右足シュートがゴールへ吸い込まれると、背番号9のFWはベンチへ向かって走り出し、チームメイトと歓喜を爆発させた。

 静岡県予選は登録メンバー外で藤枝東との決勝もスタンドで応援。静岡学園中時代の09年全国中学校大会で日本一に貢献したが、6月までは一度もAチームでプレーしたことがなかった。ただ「全国大会決まってからチャンスはあると。今回出てやろうと思っていた。トップチームには点取れるストライカーがいないと聞いていて、得点取れる選手に、とやってきた」というFWは状況判断のよさと決定力で台頭。その精神面の変化を見逃さなかった川口修監督は「(高円宮杯)プレミアリーグで登録変更の30人(7月)を選ぶとき、30番目で迷って迷って。それまでアイツ(深瀬)は練習はぬるいしダッシュもしない。でも(齊藤)興龍(コーチ)と『Aチームに入れたら変わるかも』と言って入れたら変わってきたので、(総体)本大会でどのくらいやれるのか試した。これまでFWいなかったけど、これなら・・・・・・」。
 
 全国総体は当初登録外だったが、エントリー変更でメンバー入りすると、期待に応えたFWは東京都市大塩尻との初戦の先制ゴール、そして海星戦での2ゴールなどチームトップの4ゴール。憧れていたAチームで、そして全国舞台で躍動している。

 “シンデレラボーイ”として大活躍しているが、今はまだ与えられているチャンスをものにしている段階。これから自分を欠かすことのできない存在にまで高めなければならない。そのためにはまだゴールが足りない。あと1試合。「最後もしっかり得点したい」と誓う2年生ストライカーがそのゴールで名門を初優勝へと導く。
 
[写真]後半ロスタイム、静岡学園FW深瀬が右足で決勝ゴール(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

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