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U-22代表、 宇佐美は交渉中。宮市はアーセナルが断り。五輪代表招集に関する拘束力とは?

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U-22日本代表のメンバー招集に関し、原博実技術委員長が現行のルールを解説した。

原委員長によると、国際Aマッチデーやアジア杯などの公式戦への招集の際、A代表に関しては所属協会が選手拘束力を持つが、五輪代表の活動については拘束力はない。

ただし、Jクラブ所属選手に関しては、93年のリーグ開幕時の初期の目的が「W杯に出る、五輪に出る」という強化のためのものだったという背景があり、ロンドン五輪に向けては、Jリーグの日程と重複する際も五輪代表活動を優先するという意思統一がなされている。

A代表と五輪代表の試合が同じ日に行われる今回、日本協会が「A代表か五輪代表のどちらかに呼ばれる可能性がある」との文面で招集レターを送っていたのが宇佐美貴史(バイエルンミュンヘン)と宮市亮(アーセナル)の2人だった。これを受け、アーセナルからは「A代表に選出されたら出すが、U-22なら辞退する」という旨の返事が来たが、バイエルンからは返事が来なかった。

そのため、宮市に関しては、4日昼にA代表に選ばれなかった時点で今回の招集はなしとなった。また、宇佐美に関しては、A代表に入らなかったものの関塚監督がU-22日本代表への招集を希望したことで、ドイツのビジネスタイムになった時間から交渉を開始することになり、今後追加招集になる可能性が出ている。

また、原委員長は指宿洋史(セビージャ・アトレティコ)、大津祐樹(ボルシアMG)には招集レターを送っていないことも明らかにした。

五輪代表については今後も日本協会に拘束力はなく、選手招集が困難になることが予想できるが、関塚監督は「(海外組は)それぞれのパフォーマンスが認められて海外に移籍しており、(U-22日本代表の)大事な戦力だと思っている。その選手が必要になったときは、1戦1戦粘り強く交渉していくべきと思っている」と招集に意欲的だが、一方で「とはいっても、まずは協力してもらえる国内組でベースを作って、そのうえで海外組がプラスαになれるようにしたい」とも話す。

Jリーガーがベースを作り、必要ならば海外組を呼ぶように交渉するというスタイルで、関塚ジャパンはロンドン五輪を目指す。
(取材・文 矢内由美子)

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