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U-22エジプト戦メンバー発表、関塚監督の会見要旨

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 日本サッカー協会は4日に都内で会見を開き、10日の国際親善試合・U-22エジプト代表戦(札幌ド)に挑むU-22日本代表メンバー22人を発表した。FW杉本健勇(C大阪)、FW齋藤学(愛媛)、MF田邉草民(F東京)、DF和田拓也(東京V)の4選手が関塚ジャパンに初招集された。またメンバーリストには名前がなかったが、バイエルンに移籍した前G大阪FW宇佐美貴史は、エジプト戦に参戦できるよう現在、クラブ側と交渉していることが説明された

以下、関塚隆監督の会見要旨

関塚隆監督
「今回、エジプトと親善試合をやらせてもらえます。ほんとに、9月からの最終予選に向けた大事な一戦だと思っています。昨日まで、A代表のほうでザッケローニ監督と3日間をともにしてトレーニングしてきました。その中で、我々の年代からは8人がトレーニングと試合に入ったが、非常に有意義な3日間を過ごせたと思っている。これをまたA代表、我々の一戦にもいい意味で刺激を受けて、成長した姿を見せられるかなと思っています。
 2次予選が6月に終わって、最終予選のグループ分けが決まって、いよいよこの8月10日が過ぎたら(最終予選が)1カ月後に迫ってきているわけですけど、ヨーロッパに移籍した選手もいるし、Jリーグ戦も続いている。しっかりとクラブの中で結果を残している選手、またぜひ手元で試してみたい選手を呼んで、日数は短いですけども、我々のところでどう伸びるか、見てみたい。そういう中でエジプト戦に向かいたい。
 (最終予選の)グループの中でもエジプトに近いシステム、タイプの国がある。一つのシュミレーションとして、個人、そしてチームとして、どういうパフォーマンスができるかしっかりと見極めていきたいと思う。2次予選よりは成長した、戦えるチームになるよう一歩ずつ進めていきたい」

―FW杉本健勇(C大阪)、FW齋藤学(愛媛)、MF田邉草民(F東京)、DF和田拓也(東京V)の4選手を初選出したが、その理由は?
「まず和田についてですが、ヴェルディでレギュラーを取って、左サイド(左SB)を担当して、非常にパワフルなプレーを見せている。今回、比嘉が不在で、そして吉田豊が負傷中ということもあり、そういう意味でもしっかりと左サイドを担当できるかということを手元で見てみたいと思った。
 続いて田邉選手ですが、FC東京で攻守両面で貢献している。今のチームでのプレーやパフォーマンスを、国際ゲームでどうできるか。数日間ですけど、我々のチームに入った中での戦術の理解をしてもらいたいと思っている。
 あとは、齋藤学選手ですが、2次予選の前から非常に注目していた。何試合か見に行っていましたし、非常にサイドからのアタック(がいい)。今回、山崎(亮平、磐田)選手が病気で、きょう、そんなに長くはかからないだろうと報告を受けたが、それに変わるプレイヤーとして、タフなプレーができる選手だと思っている。
 そして、杉本健勇選手ですが、前半戦は故障があったんですけど、回復してセレッソでメンバーに入ってきている。それに高さ、パワーがある。それが彼の特徴だと思っている」

―エジプトは最終予選で戦う相手、仮想シリアだと思うが、この2つの国の共通点は?
「2つの共通点というか、エジプトのチームは、水原国際大会(2009年)にもコーチの小倉と武藤が、コーチとして参加して見ている。一人ひとり、非常に1対1のコンタクトが強く、パワーフルで、力強いチーム。このへんに対して我々がどう戦えるか、しっかりと対応していきたいという風に思っています」

―先ほど挙げた1対1の局面以外で、エジプト戦で見てみたいところは?
「我々は(2次予選の)対クウェートのとき、1戦目は非常に我々の狙いとすることができた。しかしアウェーでは、つまらない失点があったし、アウェーの環境の中で、どういう戦いをしないといけないかというのがあった。
 ただ、基本とすることは1戦目のスタイル(攻撃的なパスサッカー)というかサッカーをどう、成長させられるか。中盤でのしっかりとした狙いを持ったパスワーク、そこから崩しに入ること。そこをやるためにはカウンターを受けない、そこの対策も必要。
 また、逆に我々が攻められる場合もあるが、そうなったときに、ファーストブレイクの攻撃力のスピーディーさ、そのへんを90分の中でどうできるか。2つのスタイルのプレーというのをチームの中で浸透させることをしっかりやりたいと思う。あとは1対1のところはグループで守るんですけど、そこの個の強さは、我々の年代では、攻撃のところも守備のところも、もっとしっかりと一人ひとりをたくましくさせていくことが大事だなと思う」

―主将のMF山村和也(流通経済大)が不在だが、エジプト戦では誰が主将をやるのか? また、エジプト戦後はどういう強化スケジュールが予定れてる?
「だいたい、このメンバーの中だと、誰に担当してもらうかは頭の中にはあるが、それは当日まで自分の胸の中にしまっておきたいと思います。トレーニングのほうは、来週の3日間と、そのあとも強化できるところは、しっかりと準備したい。協会とクラブとの話し合いで、何日間もてるか、今後やっていきたい。スケジュールを決めて、しっかりと1戦目、戦えるように準備していきたい」

―MF清武弘嗣(C大阪)はA代表に選出されたが、不在による影響は? 今後A代表に下の世代から選ばれることが増えるが、どう感じている?
「(ロンドン五輪アジア)2次予選を戦った中でも彼の力は大きかった。それがA代表に匹敵するだけのパフォーマンスだったという評価だと思う。やはりこの試合を通じてでも、A代表に近づける選手を育て、見極めていきたい。今後のことはザッケローニ監督、原さんを含めて話し合いの中で決めていく」

―五輪予選は国際Aマッチデーではないため、今回のようにアーセナルFW宮市亮が呼べないなど海外組を呼ぶことが難しくなっているが、監督自身は、そこは割りきっているのか? それとも、できれば協会に頑張って呼んで欲しいのか?
「やはり大事な戦力だと思っています。それだけのパフォーマンスをして、力を認められて(欧州に)移籍している。我々も必要とあれば呼びますが、そこはやはり、セントラル方式の大会ではないので、粘り強く交渉していきたい。ただ、拘束力はないので、僕の頭の中では彼らがプラスアルフアとなるようにしたい。協会とクラブから協力を頂いているので、まずは国内組でしっかりとしたたベース、力というのをつけて、彼らがそこに加わるのが、プラスアルファになるよう、今後もチームを成長させたいと思っている」

―2次予選で呼ばなかったバイエルンのFW宇佐美貴史を今回、招集しようとしている理由は?
「今回のチームにやはり必要な戦力だと思ったので、メンバーのほうに入れさせてもらった。それぞれのときに、やはり必要だと思ったメンバーを入れている。前回はそういう判断をしたが、今回は、加わってもらうという判断をし
た」

(取材・文 近藤安弘)

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