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「期待に応える」高校ナンバー1FW白崎が清水入りを決断

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 J数クラブが争奪戦を繰り広げていた山梨学院高(山梨)の高校ナンバー1アタッカー、FW白崎凌兵清水エスパルス入りを決めた。

 2013年のU-20W杯を目指すU-18日本代表候補で、今年日本高校選抜メンバーとして欧州遠征も経験している白崎は、獲得に名乗りを挙げたFC東京、柏レイソル、浦和レッズ、横浜F・マリノス、ヴァンフォーレ甲府、そして清水の6チームに練習参加。正式オファーを受けた中からF東京と清水に絞って進路を熟考していたが、このほど白崎側が清水入りを決断し、クラブに正式回答した。

 白崎は180cmの長身に加え、高校年代ではずば抜けたボールコントロール、ドリブル、決定機を作り出すパス、そして得点力も備えた超高校級アタッカー。3回戦でPK戦敗退した全国高校総体では股関節の負傷明けだった影響で時間限定の出場だったが、それでも別格の力を見せ付けて2ゴールを挙げた。そのFWは中学時代にF東京の下部組織でプレーしていたこともあり、一時は地元・F東京入りに気持ちが傾いていたようだが、「一回地元を離れて山梨に行って、ちょっと良くなったら戻ってしまうのは良くない。厳しい環境の中でやらせてもらうことに決めました。エスパルスは1年の時から自分のことを見てくれて、調子のいい時も悪い時も知ってくれている上で自分に声をかけてくれた。ゴトビ監督の練習も今まで自分が経験したことのないもので、刺激的でした」と清水入りを決断。「自分の持ち味はドリブルだったり、ボールを持ったときのプレー。ここはサポーターにも見てほしい。エスパルスはレベルの高い選手がいっぱいいるけれど、入ったら年齢は関係ないし、負けないでやるだけです。目標は優勝。1年目から優勝に貢献できるように頑張る」と力を込めた。

 元清水ヘッドコーチで、入学時から白崎を指導してきた山梨学院の吉永一明監督は「清水はサッカーをやる環境が優れているだけでなく、サッカーを見る人の目も肥えている。勝って一緒に喜んでくれることも、冷たい目で見られることもある厳しい街。その清水というサッカーの街を選んだことはいい選択だと思う。高い志をもってやってもらいたい」と話した一方で、「彼は一般的な人が40年間かけて稼ぐ金額を競技生活だけで稼ぐと言う厳しい世界を選んだ。プロは身体が基本になる。身体に気を使って常にケアをしていかないといけない。まずは身体に気をつけて、そして将来的には日本から飛び出す選手にぜひなってもらいたい」とエールを送った。

 白崎は来週、再び清水へ練習参加をする予定。そこでプロ仕様の身体作りを行うとともに、山梨学院でプレーしながら実践することのできる、練習メニューを作成してもらうという。SBSカップ国際ユースサッカー大会に出場するU-18日本代表招集は見送られたが、年代別日本代表としても期待される逸材。プロ1年目から活躍するためにできることを行い、清水、そして代表チームもけん引する存在となる。

 高校生活はあと半年。出場することのできる全国大会はあと、高校選手権のみだ。進路も決まり、これからはチームの2年ぶりの日本一獲得へ全力を注ぐ。「清水では1年目から活躍を期待されている部分があると思う。その期待に応えて活躍する。高校ではあと選手権だけ。インターハイではああいう形(PK戦敗退)で負けちゃったので選手権でいい結果を出してプロになる」と宣言。高校日本一のタイトルを持って清水でのプロ生活をスタートする。

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