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「W杯予選は未知の世界」、半年ぶり復帰の香川がブラジルW杯へ決意

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 背番号10がザックジャパンに帰ってきた。日本代表は8日、札幌市内に集合し、10日の韓国戦(札幌ド)に向けて合宿をスタート。19人で行われた練習初日、チームの輪の中にFW香川真司(ドルトムント)の姿があった。

「久しぶりですけど、試合まで時間もないですし、コンディションを整えて、明日の最後の練習もしっかりやりたい」。1月のアジア杯以来の代表復帰。右第5中足骨を骨折し、長期離脱を強いられていた香川にとって、約半年ぶりの代表合流となった。

 ブランクへの不安も、コンディションの心配もない。「今まで積み上げてきたものをしっかりピッチで表現したい。メンバーも多くは変わってないですし、やることは分かっている。お互いに特徴をつかんで、攻撃的なサッカーをしたい」。アジアを制したメンバーをベースに、チームづくりは順調に進んでいる。A代表初選出のFW清武弘嗣(C大阪)もC大阪時代のチームメイト。連係やコミュニケーションに問題はない。

「コンディションは順調に来ている。ただ、ハードなスケジュールなので、明日、明後日とコンディションだけをしっかり整えていければ。もっともっと自分というものを表現していきたい。結果が一番だと思う」

 今季は7月23日のドイツスーパー杯、30日のドイツ国内杯1回戦に先発出場し、ドイツ国内杯のザントハウゼン戦では1ゴール1アシストを記録した。5日のブンデスリーガ開幕戦・ハンブルガーSV戦(3-1)も先発出場。得点こそなかったが、ポスト直撃のシュートを放つなど早くもエンジン全開だ。

 復活の舞台となるのは、自身が負傷した1月25日のアジア杯準決勝と同じ日韓戦。それでも「ケガのことは特に何も思ってない。代表でしっかり結果を残したい」と平常心を強調する。あくまで代表の1試合に過ぎないが、同時にW杯アジア3次予選前ラストマッチという特別な意味も持つ。

 南アフリカW杯のアジア予選でも3次予選2試合、最終予選1試合に出場している香川だが、当時は主力選手ではなかった。「W杯予選はちょっとは経験しているけど、自分にとっては未知の世界。厳しい試合になるのは、過去を見れば分かる。相手は格下とみられるけど、簡単ではない」と表情を引き締める。「しっかりとした準備をして、来月を迎えたい。そのためにも明後日の試合に勝って、予選に臨みたい」。197日ぶりの代表戦となる韓国戦。永遠のライバルを打ち破り、背番号10がザックジャパンをブラジルまで導いていく。

(取材・文 西山紘平)

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