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山田!永井!関塚ジャパンが五輪最終予選前ラストマッチを逆転で飾る

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[8.10 国際親善試合 U-22日本代表 2-1 U-22エジプト代表 札幌ド]

 U-22日本代表は10日、札幌ドームでU-22エジプト代表と国際親善試合を行い、2-1で逆転勝ちした。前半5分にセットプレーから先制を許したが、同11分にMF山田直輝(浦和)のゴールで追い付くと、同30分にはFW永井謙佑(名古屋)が勝ち越し弾。ロンドン五輪アジア最終予選前ラストマッチを逆転勝利で飾った。U-22日本代表は今後、9月21日に最終予選初戦・マレーシア戦(ベアスタ)を戦う。

 日本は4-2-3-1のシステムで、GK権田修一、4バックは右からDF酒井宏樹、鈴木大輔、濱田水輝、酒井高徳と並んだ。中盤は山本康裕と山口螢のダブルボランチ。2列目は右から東慶悟、山田直輝、永井謙佑と並び、大迫勇也が1トップを務めた。

 試合は思わぬ立ち上がりとなった。エジプトは前半5分、右45度の位置でFKを獲得。DFラマダンが左足でゴール前に上げたボールはFWモフセンの頭をかすめてゴール左隅に吸い込まれる。最終予選に弾みを付ける完封勝利を狙っていた守備陣だったが、いきなり1失点を喫した。

 先制点を許した日本だが、慌てることなくゲームを進める。前半6分には大迫がPA外から強烈なミドルシュート。これは惜しくもゴール左に外れたが、同11分に早くも試合を振り出しに戻した。右サイドを突破した酒井宏の折り返しをDFがクリアミス。PA内右に詰めていた山田がこぼれ球を右足ダイレクトで振り抜き、ゴールネットに突き刺した。

 早い時間で同点に追い付いた日本がその後もペースをつかむ。前半20分、山本の右CKに合わせた濱田の右足ボレーはゴール上へ。同21分には前線から激しくプレッシャーをかけ、GKのミスを誘うと、こぼれ球に素早く反応した山田の折り返しを大迫が狙ったが、シュートはミートできなかった。前半25分には最終ラインで濱田がボールを失い、カウンターからピンチを招くが、エジプトのラストパスがわずかに合わず、何とか失点を免れた。

 トップ下で先発した山田は豊富な運動量でピッチを走り回った。時にボランチまで下がってシンプルにパスをさばき、時にはサイドのスペースに開いてパスを呼び込む。積極的にゴール前に飛び出す場面もあり、攻撃のリズムをつくった。

 すると前半30分、ハーフウェーラインを少し越えた位置から山田がゴール前に絶妙なスルーパス。俊足を飛ばしてPA内に走り込んだ永井のシュートは一度はGKに弾かれたが、跳ね返りを再び永井が右足で流し込み、2-1と逆転に成功した。

 後半立ち上がりは両チームが中盤でパスをつなぎながら攻撃を組み立て、主導権争いが続く。日本は後半7分、山口のスルーパスに抜け出した永井がシュートを狙うもGKがキャッチ。その後は攻めあぐねる時間が続いた。

 日本の最初の交代は後半16分。山本に代えてMF扇原貴宏を投入し、そのままボランチに入った。同17分には扇原のくさびのパスから永井が右サイドに展開。パスを受けた東はドリブルで中に切れ込み、左足ミドルを打ったが、シュートは枠を捉えられなかった。

 試合はこう着状態に入り、互いになかなかフィニッシュまで持ち込めない。日本は後半27分、東と酒井宏を下げ、MF青木拓矢とDF高橋峻希を投入すると、同32分にも2人を同時交代。2得点を演出した山田に代えてMF茨田陽生、大迫に代えてFW齋藤学と、初招集の2人をピッチに送り込んだ。

 これによって永井が1トップにポジションを上げ、2列目は右から青木、茨田、齋藤と並んだ。後半33分には投入直後の齋藤がミドルシュート。同40分にも相手のパスミスをカットした茨田がPA外から狙うなど積極的なプレーでアピールした。

 日本は後半43分、永井に代えてFW杉本健勇を投入し、最後のカードを切る。1トップの位置に入った杉本は直後に齋藤の左クロスをPA内でおさめ、山口にラストパス。しかし、山口のシュートはGKの好セーブに阻まれ、惜しくも追加点とはならなかった。試合はそのまま2-1で終了。後半の試合内容には不満も残ったが、新戦力のチェックを含め、9月に迫ったロンドン五輪アジア最終予選へ勝利で弾みを付けた。

[写真]前半11分、U-22日本代表MF山田が同点ゴールを突き刺す
(取材・文 西山紘平)

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